糖質制限を実践する上で気になるのが食品や飲料の糖質量。
ここでややこしいのが、「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖分ゼロ」、さらには「糖質オフ」「低糖質」といった表記です。
「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖分ゼロ」「糖質オフ」「低糖質」の違いは?
この中で血糖値を上げにくいのはどれ?
「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖分ゼロ」「糖質オフ」「低糖質」の違いと血糖値を上げにくい(上げやすい)順番を分かりやすく徹底解説します。

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炭水化物・糖質・糖類・糖分の違い

炭水化物と糖質の違い

まず、基本的な知識から。

炭水化物=糖質というイメージが強いですが、実は炭水化物には食物繊維が含まれています。

例えば、サツマイモ。
食物繊維が豊富なことから、便秘解消に摂取されている方もいるのではないでしょうか?

サツマイモ

食物繊維には以下のもの(例)があります。
ポリデキストロース、セルロース、難消化デキストリン

炭水化物:食物繊維+糖質

「糖質」と「糖類」の違い

「糖質」は炭水化物から食物繊維を除いた物の総称です。
「糖質」の内容は以下になります。

●糖類
●その他

糖類

糖類はさらに単糖類と二糖類に分類されます。

●単糖類:ブドウ糖・果糖
●二糖類:ショ糖(砂糖)・麦芽糖・乳糖

その他

「糖質」から「糖類」を除いた残りで、さらに以下に分類されます。

●多糖類:でんぷん・グリコーゲン・デキストリン・オリゴ糖
●糖アルコール:還元麦芽糖水飴(マルチトース)・キシリトール・エリスリトール
●その他:アセスルファムK、スクラロース (甘味料)、クエン酸、クエン酸ナトリウム(酸味料)など

以上をまとめると以下の図になります。
※「糖質」と「糖類」の違いを説明した記事は多いですが、一番分かりやすいです。

「糖質」と「糖類」の違い
※出典元:「糖質」と「糖類」の違いは何ですか?【Asahi】

「糖分」とは?

「炭水化物」・「糖質」・「糖類」の違いを見てきました。
ここでお気づきだと思いますが、「糖分」という分類はありません。

「糖分」には明確な定義はなく、甘さを表す言葉として使われています。
「甘い物=糖分=太る」と言ったイメージでしょうか?

「糖分を控える」とは具体的には”「炭水化物」や「糖質」を控える」”といった意味あいで使われることが多いようです。

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖分ゼロ」「糖質オフ」「低糖質」の違い

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖分ゼロ」とは?

「糖分ゼロ」とは?

前述の通り、「糖分ゼロ」に関しては、そもそも「糖分」に関する明確な定義がないので、食品の表記に使われることはそうありません。
どちらかというと、ユーザー側が「糖分=太る、血糖値が上がる」というイメージで使う事が多いです。

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」とは?

食品に含まれる「糖質」または「糖類」が100g中0.5g(100ml当たり0.5g)未満の場合、「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」を謳えます。

「ゼロ」と言っても「0」ではありません。

「低糖」「糖分控えめ」とは?

但し、「糖質」が100g中5g(100ml当たり2.5g)未満の場合は「低糖」「糖分控えめ」と表記できます。

「糖質オフ(低糖質)」とは?

一般的な食品と比べて「糖質が少ない」と言う意味合いで、「糖質●%OFF」と書いたものが多いです。

まとめると以下になります。

●糖質(糖類)ゼロ:食品に含まれる糖質(糖類)が100g中0.5g(100ml当たり0.5g)未満
●糖質ゼロ:食品に含まれる糖質(糖類)が100g中5g(100ml当たり0.5g)未満
●低糖・糖分控えめ:「糖質」が100g中5g(100ml当たり2.5g)未満
●糖質オフ(低糖質):通常の食品と比べ糖質がカットされている

「糖質オフ(低糖質)」は幅広く使われ、含まれる糖質量mの割合に幅があるので注意が必要です。

「砂糖不使用」「砂糖ゼロ」「ノンシュガー」とは?

「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」等以外に「砂糖不使用」「砂糖ゼロ」「ノンシュガー」と言う表記もあります。
「砂糖」は二糖類の「ショ糖」が原料です。
「砂糖」がゼロでも他の糖質が含有している可能性はあるので、「砂糖不使用」「砂糖ゼロ」=「糖質ゼロ」ではありません。

但し、「砂糖不使用」「砂糖ゼロ」「ノンシュガー」と記載がある場合、「糖類ゼロ」の可能性はあります。
いずれにせよ、成分表示の「糖類」の量を確認しましょう。

血糖値を上げにくいのはどれ?

「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「糖分ゼロ」「糖質オフ」「低糖質」等の違いを見てきました。

「血糖値を上げにくい」を考える前に、逆に「血糖値を上げやすい」ものを考えます。

ここで「炭水化物」「糖質」と「糖類」の違いについておさらいをしておきましょう。

炭水化物」「糖質」と「糖類」の違い

●炭水化物:糖質+食物繊維
●糖質:糖類とその他
●糖類:単糖類・二糖類

糖類

●単糖類:ブドウ糖・果糖
●二糖類:ショ糖(砂糖)・麦芽糖・乳糖

その他

●多糖類:でんぷん・グリコーゲン・デキストリン・オリゴ糖
●糖アルコール:還元麦芽糖水飴(マルチトース)・キシリトール・エリスリトール
●その他:アセスルファムK、スクラロース (甘味料)、クエン酸、クエン酸ナトリウム(酸味料)など

血糖値が上がりやすい順番

「糖質」を「糖類」と「その他」に分類しないで、全ての成分で考えると、以下になります。

●単糖類
●二糖類
●多糖類
●糖アルコール
●その他

血糖値が上がりやすいのは体への吸収が速い(=即エネルギーに変わる)ものです。
順番は以下になります。

単糖類>二糖類>多糖類>その他>糖アルコール(エリスリトール)

単糖類と二糖類を「糖類」であり、「糖類」は「糖質」の一部なので、「糖類ゼロ」>「糖質ゼロ」です。

糖質の中で一番血糖値を上げないものは?

糖質の中で「血糖値を全く上昇させない*」と言われているのが、エリスリトールです。
*「ゼロ」ではないとは言えないという主張もあります。

エリスリトールは「糖アルコール」の一種です。
「エリスリトール」は粉末や液体タイプが販売されていますが、「糖質0」と表記されています。

ダイエットや血糖値が気になる方で甘い物が食べたい方は、まず選ぶべきは「糖質0」の食品(「エリスリトール」)です。

次に「糖類ゼロ」。
そして、血糖値が正常だけど、「健康に気を付けたい」と言う方は、「低糖質」「糖質オフ」食品から始めると良いでしょう。

血糖値を上げにくい表記の順番は以下になります。

糖質ゼロ(エリスリトール)>糖類ゼロ>低糖質・糖質オフ

但し、エリスリトールは血糖値を上げないと言われていますが、「糖質ゼロ」ではありません。

逆に言えば、甘味料としてエリストリールが100%使われているのなら、「糖質ゼロ」でなくても、糖質制限に最適です。