寒い時には甘いホットココアを飲むとホットしますね。
そもそもココアとは?ココアパウダーの違いは?
ココアの効果効能は?副作用の危険性は?
ココアのカフェイン含有量は?妊娠中や子供は飲んでの良い?
ココアの効果的な飲み方は?
ココアに関する疑問をスッキリ解説します。
ココア・ココアパウダーとは何か?違いは?
ココアというと、甘いホットココアを思い浮かびますが、そもそもココアとは何でしょうか?
ココアとは?
ココアの原料はカカオの種子(カカオ豆)です。
元々、17世紀以前にヨーロッパで飲まれていたココアはカカオをすり潰したもので、「飲みにくい」「牛乳に溶けにくい」と難点がありました。
そこで開発されたのが、カカオマスから油脂を分離して粉末にする手法でした。
※カカオマスとは、カカオ豆を発酵・焙煎した後、種皮と胚芽を取り除き、すり潰したものです。
ココアパウダーとは?
カカオマスから油脂(ココアバター)を分離して粉末にしたものがココアパウダーです。
※カカオマスから油脂(ココアバター)を除いたものをココアケーキと呼びます。
純ココア・ピュアココアとは?
但し、純ココア・ピュアココアと呼ばれるものは、ココアパウダーの内、脂肪分が22%以上、水分が7%以下で、バニラ系の香料以外を含まないものを言います。
従って、正確にはココアパウダー=純ココア・ピュアココアではありません。
ココアパウダーに糖類、乳製品、麦芽、ナッツなどを加えて飲みやすくしたものが調製ココア(ミルクココア)です。
「ココア」とは、ココアパウダー、調整ココア等の総称です。
[関連記事]ココアとは?ココアパウダー・純ココア・ピュアココア・チョコレートの違い
当記事においては、砂糖等を加えないココアパウダー=純ココア・ピュアココア=ココアという定義で話を進めます。
ココアパウダーの成分
ココアパウダーの栄養成分ですが、比較しやすいようにコーヒーの栄養成分と合わせた成分表を作成しました。
比較に際して、コーヒーはインスタントコーヒー、ココアは純ココア・ピュアココアを各々小さじ2杯(4g)として計算しています。
※味は好みのがありますので、実際に飲む時は個人差があります。又、商品によって栄養成分に違いがあります。あくまでも目安です。
ココアパウダー・コーヒーの成分比較表
ピュアココア | インスタントコーヒー | |
---|---|---|
カロリー(kcal) | 11.5 | 10.8 |
タンパク質(g) | 0.6 | 0.7 |
脂質(g) | Tr | 0.9 |
糖質(g) | 2.26 | 0.7 |
食物繊維(g) | 0 | 0.9 |
ナトリウム(mg) | 1.28 | 0.6 |
カリウム(mg) | 144 | 112 |
カルシウム(mg) | 5.6 | 5.6 |
マグネシウム(mg) | 16.4 | 17.6 |
リン(mg) | 14 | 26.4 |
鉄(mg) | 0.12 | 0.6 |
亜鉛(mg) | Tr | 0.3 |
銅(mg) | Tr | 0.2 |
食塩相当分(g) | Tr | 0 |
テオプロミン(g) | – | 0.1 |
カフェイン(g) | 0.16 | 0.008 |
タンニン(g) | 0.48 | – |
ポリフェノール(g) | – | 0.2 |
※参照:日本食品標準成分表(2015年度版)
※「TR」とは0ではないが、極微量含まれるという意味です。
ココアパウダーの糖質量
ピュアココアの糖質はコーヒーの約1/3、その反面、コーヒーに含まれない食物繊維が0.9g含まれています。
ココアパウダーのカロリー
ピュアココアのカロリーは10.8kcal、コーヒーは11.5kcalと、コーヒーの方が多いですが、内容は全く違います。
ピュアココアのカロリーの大半は脂質(ココアバター)によるもの、一方のコーヒーは糖質によるものです。
ココアパウダーのカフェイン含有量
ピュアココア小さじスプーン2杯(4g)には8㎎のカフェインが含まれています。
コーヒーの20分の1の量ですので、ごくわずかな量です。
※妊婦への影響については後述します。
ココアパウダーの成分の特徴
◇カカオ ポリフェノール
抗酸化作用があるポリフェノールは赤ワインに多く含まれていますが、ココアのポリフェノール(カカオポリフェノール)は、赤ワインより多く含まれています。
◇食物繊維
ココパウダーに含まれる食物繊維は0.9gと、全体(4g)の22.5%に相当しています。
ココパウダーにはセロリやゴボウより多くの食物繊維が含まれています。
◇テオブロミン
ココア独自のホッとした気分にさせる成分です。
カフェインに似ていますが、刺激はあまりありません。
ホットココアを飲むと、何だか気分がホットするのは、錯覚でもなく、テオブロミンによる働きだったのですね。
◇ミネラル分
ココアにはカルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛などのミネラル分がコーヒーより多く含まれています。
ココアパウダーの効果効能
そもそも、ココアのルーツは古代マヤ人が薬として利用されていました。
主に滋養強壮、疲労回復、長寿などに効くとされ、金銭として扱われていたともいわれています。
そのココアがヨーロッパに持ち込まれ、広がりました。
ココアには以下の効果効能が期待できます。
●白髪予防効果
●動脈硬化を抑制する効果
●睡眠効果
●集中力・記憶力を高める
●冷え・むくみ解消効果
●血圧を下げる効果
●便秘解消効果
●ダイエット効果
●風邪・インフルエンザ予防効果
白髪予防効果
髪の毛の黒い色素はアミノ酸の「チロシン」が酸化されてできたメラニンです。
「チロシン」をメラニンに替えるチラシナーゼを活性化するのが銅イオンです。
ココアには、銅が多く含まれているので、白髪予防の効果が期待できます。
動脈硬化を抑制する効果
ココアにはカカオポリフェノールが豊富に含まれています。
ポリフェノールには抗酸化作用があります。
カカオポリフェノールが酸化を抑制し、コレステロールが血管に留まるのを防ぎ、動脈硬化を抑制する効果が期待できます。
睡眠効果
テオブロミンにはココア独自のホッとした気分にさせる成分です。
集中力・記憶力を高める
テオブロミンには、大脳皮質を刺激し、集中力や記憶力を高める効果もあります。
冷え性・むくみ改善効果
さらに、テオブロミンには血管拡張効果があります。
血管が拡張することで血流が良くなります。
その結果、冷え性やむくみを改善する効果が期待できます。
但し、これは砂糖を入れない純ココアの場合です。
砂糖は体を冷やしますので、冷え性・むくみ改善効果を期待するのなら、砂糖の代わりに蜂蜜や砂糖代用品を使いましょう。
また、ココア生姜は冷え性皆瀬に相乗効果があります。
※ココア生姜については別記事参照
血圧を下げる効果
海外の研究で、ココアを一定期間に習慣的に摂取した後と、一時的に摂取した直後の両方で高めの血圧を下げたという報告があります。
便秘解消効果
ココアには不溶性食物繊維様の一種「リグニン」が含まれています。
※純ココアスプーン小さじ2杯(4g)に0.732㎎の不溶性食物繊維を含みます。
ぜんどう運動が活発化することで、便秘解消効果が期待できます。
ダイエット効果
便秘が解消することで、体内の余分な老廃物が排出されて、新陳代謝が高まります。
このことでダイエット効果が期待できます。
風邪・インフルエンザ予防効果
森永製菓を行った実験では、通常飲まれているココアの濃度(約3.5%)以下でもインフルエンザの感染を抑える効果があることが分かりました。
さらに追加した実験からは、インフルエンザウイルスの感染を抑える成分として、ポリフェノール性と非ポリフェノール性の2種類の成分が確認されています。
「非ポリフェノール性」成分としては、不溶性食物繊維が考えられます。
ココアには不溶性食物繊維が含まれ、便秘解消効果が期待できます。
腸内環境が改善されることで免疫力が上がります。
免疫力が上がることで、インフルエンザの感染を抑える効果を発揮したと言えます。
風邪を引くと、喉が痛くなったり体のアチコチが痛くなる症状が出ますが、これは体が炎症を起こしている証拠です。
ココアにはポリフェノールには抗酸化作用だけでなく、抗炎症作用もあります。
風邪の時にココアを飲むことで炎症が治まる可能性があります。
ココアには風邪・インフルエンザを予防する効果が期待できます。
ココアの副作用の危険性・デメリット
ココアには副作用の危険性・デメリットはあるのでしょうか?
次の3点について考えてみます。
●調製ココアの飲み過ぎ
●カフェインの妊娠中の妊婦への影響
●カフェインの子供への影響
調製ココアの飲み過ぎ
ココアには今ままで見てきたような効果効能があります。
しかし、それはココと言っても、砂糖や乳製品を含まない純ココア・ピュアココアのココアパウダーの場合です。
市販の調製ココアや、お店で飲むホットココアには砂糖がたっぷり含まれています。
砂糖がタップリ入ったホットココアは、血糖値を上げ、肥満や糖尿病の原因になる可能性があります。
飲み過ぎには注意しましょう。
自宅で飲む時は、砂糖の代わりに蜂蜜かノンカロリーの砂糖代用を使うのがオススメです。
カフェインの妊娠中の妊婦への影響
ココアにはカフェインが僅かながら入っています。
妊娠中の妊婦や子供はココアを飲んでも良いのでしょうか?
食品安全委員会では、妊娠中のカフェイン摂取は胎児の発育を阻害する可能性があると指摘しています。
妊娠中のカフェイン摂取量については、「英国食品安全庁(FSA)は1日200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)」です。
しかし、日本においてカフェインの摂取上限量は決められていません。
欧米人と日本人とでは体格等の違いがあるので、1日200mgの半分の100㎎を目安にしてはどうでしょうか?
ココアパウダー(ピュアココア)のスプーン小さじ2杯(4g)には8㎎のカフェインが含まれます。
コーヒーの場合、元々カフェインの量が多いので、どうしてもコーヒーが飲みたい時は、ノンカフェインコーヒーかカフェインレスコーヒーを飲むという方法がありました。
[関連記事]
▶カフェインレスコーヒーとは?危険?効果・作り方を徹底解説!
▶ノンカフェインコーヒーとは?カフェインレスコーヒーの違い・効果と危険性
しかし、ココアに含まれるカフェインは元々、ごく僅かなので問題ないと言えるのではないでしょうか?
では、ココアに含まれるカフェインの子どものへの副作用の危険性ははどうでしょうか?
カフェインの子供への影響
日本ではカフェインの摂取上限量は決められていません。
従って、子どもに対しても同じです。
カナダ保健省では子供はカフェインの感受性が強いので注意が必要としており、子供のカフェインの1日あたりの摂取目安量を以下のように定めています。
・4~6歳 最大45mg
・7~9歳 最大62.5mg
・10~12歳 最大85mg
国によって食生活等は違うので、このまま日本の子供に当てはめるのは無理があると思います。
こういう場合は、最大値の半分が問題ない量だと考えられます。
従って以下になります。
・4~6歳 最大22mg
・7~9歳 最大31mg
・10~12歳 最大42mg
ココアパウダー(ピュアココア)のスプーン小さじ2杯(4g)には8㎎のカフェインが含まれているので、ココアを1日1~2杯飲んでもまるで問題ないと言えます。
※あくまでも推量です。実際の飲料に関しては自己責任でお願いします。
結論としては、妊娠中や子供がココア(ピュアココア)を飲んでも問題はない、ということになります。
尚、カフェインレスココアという商品は販売されていないようです。
ココアの効果的な飲み方
ココアの効果的な飲み方のポイントは以下の3点です。
●純ココア・ピュアココアを1日2~3杯飲む
●ココアに砂糖を入れないで飲む
●ココアは牛乳で割って飲む
●ココアを飲むタイミング
純ココア・ピュアココアを使う
ココアの健康効果を効かせるには、純ココア・ピュアココアを1日2~3杯を目安に飲むとよいそうです。
ココアに砂糖は入れない
ホットココアは甘くすると美味しいですが、砂糖を入れると、血糖値が急上昇し、良くありません。
※そもそも、砂糖を入れるのなら純ココア・ピュアココアを選んだ意味がありません。
甘味は蜂蜜かカロリーゼロの砂糖代用品を使いましょう。
[関連記事]糖質制限~砂糖の代り(代用品)になる糖質ゼロの甘味料は?
ココアは牛乳で割る
ホットココアというと、ココア+牛乳が定番です。
牛乳で割ると、カルシウムとマグネシウムのバランスが最も良いです。
ホットココアにはちゃんと理由があったのですね。
ココアはいつ飲むのが効果的?
ココアにはリラックスさせ、睡眠効果があるテオブロミンという成分が含まれています。
グッスリ眠りたいということでしたら、夜(夕食後)にココアを飲むと良いです。
但し、僅かながらココアにはカフェインが含まれているので、「カフェインの入った飲料を飲むと眠れない」という方は、寝るまでの時間を調製して下さい。
※空ける時間に関しては個人差がありますので、ご自分で試すのが一番です。