新聞に除菌消臭「エアブロッカー」の広告が載っていた。
「首から提げて除菌消臭対策!」とある。
「ウイルス対策」の文字は全くないが、新型コロナウイスルの影響で注目されているウイルスブロッカーの一種だと思われる。
「エアブロッカー」は新型コロナウイルスに効果はあるのか?
調べてみた。
「エアブロッカー」とは?
以下、新聞に掲載された文面。
仕組みは特許技術により固形化した二酸化塩素が空気中の成分と反応し放出、菌や臭いに働きかけます。
二酸化塩素は分子内の酵素による酸化作用で菌のタンパク質を分解する作用を持っており、またWHOなどでも証明されているほど安全性い優れた物質。
場所を取らず、持ち運びにも便利、ご家族や大切な方のためにもオススメです。
※出典元:除菌消臭「エアブロッカー」
二酸化塩素の働き
「二酸化塩素の働き」が図解されている。
②二酸化塩素(ClO2)に悪臭や菌が触れると…
③二酸化塩素の酸化作用でタンパク質の殻が壊れます。
④タンパク質の殻が壊れた悪臭、菌は除去されます。
商品内容
●セット内容/1セットあたり:本体1箱(ケース×1、ストラップ×1、固形剤×1)+詰替1箱(固形剤×3)
※効果はおよそ1.5ヶ月持続!
詰替用固形剤もセットで合計180日(6ヶ月)分!
●サイズ(約)/横98×縦75×厚み8㎜
●固形剤/亜塩素酸ナトリウム、焼成マグネシウムケイ酢酸
●使用期限(約)/未開封で製造より2年、開封後45日
●製造/日本
販売価格
●1セット(本体1箱&詰替1箱):3,900円(税別) ●3セット(本体3箱&詰替3箱):11,700円(税別)⇒9,700円(税別) ※3セットなら2,000円(税別)引き
その他の記述
・身に付ける除菌グッズ!
・コンパクトなので首から提げたり、クリップで留めたり、手軽に着用!
・使用環境によって効果に差があります。
必ずしも効果を保証するものではありません。
・対策には予防!
何もやらないより対策手段の1つとお考え下さい。
・大反響につき残りわずか!数量限定100セット!
※2020年4月19日付の朝日新聞に掲載
「エアブロッカー」販売元
「エアブロッカー」の販売元は快適生活(株)ライフサポート。
公式サイトでも販売さているが、価格は同じ。
⇒除菌消臭「エアブロッカー」
新聞に掲載されている以外に以下の記載があった。
菌や花粉等、季節問わず身の回りの空気には敏感になる今日この頃です。
外出時の頼みのマスクは品薄になることが多く、他の対策が必要になってきます。
●本来、二酸化塩素はこれまで液体で使用されてきましたが、研究により固形化に成功。
より便利に有効的に使用できるようになりました(特許第5342054号)。
「エアブロッカー」の効果を検証
では、「エアブロッカー」の効果を検証していくことにする。
まず、新型コロナウイルスの感染予防効果以前に、「除菌・消臭」効果はあるのかということ。
二酸化塩素に「除菌・消臭」効果はある?
まず、「除菌・消臭」効果の根拠となっている二酸化塩素の働きは本当か?
正露丸で有名な大幸薬品のHPでは、二酸化塩素分子(ガス)の実験結果を基に、「二酸化塩素分子には、ウイルス除去、除菌、消臭、カビ抑制の働きがある」と結論付けている。
※出典元:二酸化塩素分子のチカラ
大幸薬品が「二酸化塩素分子の働き」を説明するのには理由があった。
「空間や物に付着しているウイルスや菌を99.9%除去」を標榜する自社製品「クレベリン」を販売している為のようだ。
「クレベリン」は首掛けタイプではなく、置き型タイプ。
「亜塩素酸ナトリウム」「焼成マグネシウムケイ酢酸」とは?
「エアブロッカー」の固形剤は亜塩素酸ナトリウム、焼成マグネシウムケイ酢酸。
亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムと言えば、接触感染予防等で薄めて使う事を推奨されているハイター等の成分だ。
但し、「”次”亜塩素酸ナトリウム」は人体に触れると危険だ。
「亜塩素酸ナトリウム」は「”次”亜塩素酸ナトリウム」と何が違うのだろうか?
●亜塩素酸ナトリウム:毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。水溶液は食品添加物として使われる。消毒に使用されることも多い。
焼成マグネシウムケイ酢酸
「焼成マグネシウムケイ酢”酸”」について調べたが、「焼成マグネシウムケイ酢”塩”」の情報しか見つからなかった。
※探し方が不十分なのか?表記の間違いなのか?
調べてみると、亜塩素酸ナトリウム+焼成マグネシウムケイ酸塩を使った空間除菌剤は多い。
例えば、「Blocker(ブロッカー)CL-40」。
「Blocker(ブロッカー)CL-40」の効果は?
「Blocker(ブロッカー)CL-40」は日テレ番組「世界一受けたい授業」等で紹介されたそうだ。
「一年中ウィルスや菌、花粉をシャットアウト!身に付けるだけで直径1mを除菌・消臭!」とある。
但し、実験結果のデーター表示はない。
「エアブロッカー」の効果【結論】
本題の「エアブロッカー」が新型コロナウイルスに効果はあるかだが、これに関しては、他の新型コロナウイルス対策グッズと同様、現段階で確認のしようがないので、不明だ。
※参照:首かけウイルスブロッカーにコロナウイルス予防効果はある?ない?【専門家の意見まとめ】
では、効果は期待できるのか?
これに関しては一般的なウイルスに効果があったとするデーターがあるかだが、これについても販売ページには記載がない。
結局、「エアブロッカー」に関してその効果は不明だ。
では、同じ材料を使っている他の商品の効果はどうか?
ここでは、「Blocker(ブロッカー)CL-40」を取り上げたが、情報量は対して変わらなかった。
ただ、「Blocker(ブロッカー)CL-40」は「東京ビジネス・サミット2011対象受賞」やテレビで紹介されたことがあるようなので、「エアブロッカー」よりは信頼がおけそうだ。
また、価格*も「Blocker(ブロッカー)CL-40」は「エアブロッカー」より安い。
※販売店による
「エアブロッカー」も「Blocker(ブロッカー)CL-40」も効果は不明だが、どちらを選ぶかと言えば、「Blocker(ブロッカー)CL-40」の方がよさそうだ。
【関連記事】▶新型コロナウイルス感染予防対策【まとめ】