目に良いと宣伝されるルテイン配合サプリメントですが、飛蚊症・白内障・老眼・緑内障・加齢黄斑変性に効果はあるのでしょうか?
ルテインの副作用は?ルテインを多く含む食品は?
ルテインに関する疑問を徹底解説します。
ルテインとは
ルテイン(英: Lutein、羅: luteus)は、600種以上知られているカロテノイドのうちの一つ。
ホウレンソウやケールなどの緑葉野菜、卵黄、動物脂肪、黄体[1]で見られる。
生体内では酸化防止剤として作用し、青色光を吸収する。
ルテインは植物において、1~2ヶ所のヒドロキシル基にそれぞれ脂肪酸が結合した脂肪酸エステルを形成する。
ルテインエステルを鹸化すると約1:2のモル比でルテインが生成される。
(Wikipedia)
Wikipediaの説明は今一分かりにくいですね。
ルテインは緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種であり、黄色、オレンジ、赤色の脂溶性色素になります。
ヒトの身体には眼や皮膚、乳房組織、母乳、子宮頸部、脳に存在しており、特に眼には多くのルテインが存在します。
体内で作ることはできませんので、食事から摂取することが重要です
参照元:ルテインとは:わかさ生活医療機関サプリメント情報サイト
ルテインの特徴をまとめると以下になります。
●カロテノイドの1種
●主に緑黄色野菜に多く含まれる
●眼の黄斑部や水晶体に多く存在する。
●体内で作ることが出来ないので、食事から摂取する必要がある。
●酸化物質として眼の老化をひきおこす「活性酸素」を抑えたり、有害な光を吸収し、眼を守る働きをする。
●ルテインが不足すると、黄斑変性や白内障などの眼の老化が起こりやすくなる
ルテインを多く含む食品・食べ物
ルテインを多く含む食品・食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか?
ルテインを多く含む食物は、パセリ、ケール、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜です。
特にほうれん草の量は別格で、100g中に10.2mg含まれています。
ちなみに、サプリメントに配合されているルテインはマリーゴールドという植物を原料にすることが多いです。
ルテインの1日摂取目安量
ルテインの1日あたりの摂取目安量は、大人も子供も6~10mg。
ホウレンソウ2株のルテイン含有量は6mgです。
ほうれん草の効果的な食べ方
ルテインは脂溶性といって油に溶けやすいので、油を使ったほうが吸収がよくなります。
毎日食べて2週間ぐらいたつと定量状態近くになります。その後は毎日でなく、2~3日に1回食べていれば問題ありません。体に蓄積されるので、多少食べる間隔が空いても、いきなり減ることはありません。
参照元:【眼科医が実践】目にいい食べ物は「ほうれん草」 おすすめの食べ合わせはコレだ!
次にルテインの効果効能を具体的に見ていきましょう。
ルテインの効果効能
ルテインには以下の効果効能が期待できると言われていますが、本当でしょうか?
●飛蚊症
●白内障
●老眼
●緑内障
●加齢黄斑変性
飛蚊症
ルテインは飛蚊症に効果効能が期待できるのでしょうか?
飛蚊症に対してルテインが,その症状を改善するといった科学的根拠は,現時点で確立していない。
また,飛蚊症を対象に国内外でRCT(ランダム化比較試験)が実施されたといった報告も見当たらない。
参照元:生理的飛蚊症を改善したい!:IME医療教育研究所
ルテインには飛蚊症を改善する効果は期待できない。
白内障
ルテインは白内障に効果効能が期待できるのでしょうか?
日本白内障学会は白内障を予防する方法を3つ挙げていますが、その一つに「抗酸化効果の高いビタミンを多く含む野菜や果物を毎日摂取する。食事で十分に摂取できない方は、マルチビタミンやルテインなども白内障予防に有効との報告があります。」として、ルテインの有効性を認めています。
参照元:白内障を予防するには:日本白内障学会
また、金沢医科大学眼科学特任教授の久保江理氏は第123回日本眼科学会(2019年4月18~21日)で、白内障予防に有効とされているルテインを中心としたサプリメントの有効性について報告されています。
そもそも、ルテインが不足すると、加齢黄斑変性だけでなく、白内障(目のレンズの役目をする水晶体が白く濁る病気)や老眼にもなりやすくなると言われています。
ルテインには白内障予防効果が期待できます。
老眼
老眼とは眼の老化(酸化)現象です。
ルテインは酸化に対抗する抗酸化物資なので、ルテインが酸化を防いでくれます。
また、ルテインが不足すると、老眼にもなりやすくなると言われていますので、ルテインを摂取することで老眼防止効果が期待できます。
昔、カルーセル麻紀さんが、テレビで「ルテインで老眼が治った」と話されていたという情報も。
緑内障
緑内障は現代の医学では治すことのできない病気です。
ルテインは緑内障に効果が期待できるのでしょうか?
眼科医によるルテインが緑内障に効果が期待できるという話はいつか見つけることができます。
ルテインを含むほうれん草を使ったホウレンソウのツナ炒めには「効果は薄いかもしれませんが、抗酸化作用があるので緑内障(視神経が障害され視野が狭くなる病気)の予防も期待できます。」
【眼科医が実践】目にいい食べ物は「ほうれん草」 おすすめの食べ合わせはコレだ!
上記の記事の執筆者である眼科医の平松類(ひらまつ・るい)医師は「緑内障の最新治療~これで失明が治る」という著書でも詳しく解説しています。
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性は、網膜にある黄斑が異常をきたし、歪んで見えたり、進行すると失明したりする病気です。
アメリカの大規模無作為比較対象試験では、「ルテイン・ゼアキサンチン摂取する群は、しない群より加齢黄斑変性症の進行が10%減少した」と報告しており、日本の加齢黄斑変性症の治療指針の一部もこの結果をもとにしています。
紫外線やブルーライトの光のダメージで黄斑が焼けると、加齢黄斑変性の原因になります。
ルテインは、光のダメージから守ってくれるので、加齢黄斑変性予防に効果が期待できます。
ルテインの効果効能を見てきました。
では、ルテインに副作用はないのでしょうか?
ルテインの副作用
ルテインの副作用に関して以下の記述がありました。
●肺がんに効果があった
JACC Studyの調査では、「肺がんの危険度は、人参、かぼちゃなどに多く含まれるβ-カロテン、柑橘類などの果物類に多いクリプトキサンチンおよび全体の総カロテノイド値の高い者では順次低くなり、最も高い群では最も低い群の半分以下となりました。
また、ほうれん草、レタスなど緑葉野菜類に多いゼアキサンチン/ルテイン値の高い群でも同様に低い傾向が見られました。」
●肺がんリスクを増やした
「β-カロテンの肺がん抑制効果を期待して欧米で実施されたβ-カロテン製剤の人への投与(服用)研究によれば、1日20mg以上のβ-カロテン製剤の投与は、肺がん発生をむしろ多くする「諸刃の剣」効果の結果も得られています。」
参照元:加齢黄斑変性症とサプリメント:まやま眼科
文章をよく見ると、「1日20mg以上のβ-カロテン製剤(脂溶性ビタミン)の投与」が肺がんリスクを増やしたが、ルテインの過剰摂取について言及した論文ではないということに気付きます。
あくまでも、β-カロテンの過剰摂取が問題にされています。
▶β-カロテンの副作用については⇒カロテノイドとは?効果・副作用・多く含む食品・効果的な摂り方
ルテインの1日摂取目安量
ルテイン配合サプリメントの説明では、1日6㎎必要と言った記述が多く見られます。
ルテインの1日あたりの摂取目安量は6~10mgと考えて良いでしょう。
ではルテインに摂取量上限はあるのでしょうか?
ルテインの摂取量上限
ルテインは脂溶性ではありますが、そもそもビタミンではありません。
さらに、ルテインを定期的にとっていると、体にしだいに蓄積されていきます。そして「定量状態」といってこれ以上どんなに食べても増えない状態になります。
ルテインを仮に過剰摂取しても、過剰摂取の問題は発生しないと言えるのではないでしょうか?
ちなみにルテインを1日35mg摂取してもでも大丈夫という日本の厚生労働省の調査もあるようです。
いずれにしろ、ルテイン配合のサプリメントを摂取する時は目安量を守るのが無難です。
ルテイン配合サプリメント
ルテインは食品から摂取可能ですが、ほうれん草等の緑黄野菜の買い物や調理をする時間がない、手間と言った方にはルテイン配合サプリメントがおすすめです。
※おすすめのルテイン配合サプリメントについては別記事参照
ちなみにサプリメントに配合されているルテインはマリーゴールドを原料にしていることが多いです。