肝油ドロップは子供の頃に食べたことがある人にとって懐かしい味です。
肝油とは?肝油ドロップとは?何歳から食べて良い?成分は?
肝油の効果効能は?不足するとどうなる?
肝油ドロップの食べ過ぎによる副作用の危険性は?
肝油の成分を多く含む食品は?
肝油に関する疑問をスッキリ解説します。
肝油とは何か?
肝油(かんゆ)は、タラやサメ、エイの肝臓に含まれる液体、およびそれから抽出した脂肪分。
主な成分にビタミンA、ビタミンD、スクアレン(スクワレン)、アルキルグリセロール類、脂肪酸があり、医薬品やサプリメントとして用いられる。
医薬品の主な効能はとり目・くる病の予防、目の乾燥感の解消などがあげられる。
参照:Wikipedia~肝油
ビタミンAが不足すると?
ビタミンAが不足すると、とり目や粘膜の異常等の原因になります。
とり目とは?
夜盲症は、暗部の視力が著しく衰え、目がよく見えなくなる病気。
俗に「鳥目(とり目)」と呼ばれる。
尚、鳥類全てが鳥目かというとそうではなく、ニワトリなどを除いて鳥類は暗部でも視力を持つものが多い。
参照:Wikipedia~夜盲症
ビタミンDが不足すると?
ビタミンDが欠乏すると、「くる病」に罹りやすくなります。
※詳しくは下記記事をご参照ください。
くる病とは?
くる病とは、骨端線閉鎖前の子どもにおける骨の石灰化や成長がうまくいかず、骨が通常よりも柔らかくなってしまう病気です。
くる病になると、骨は伸びなくなるので低身長になります。
1800年後半にフランス人医師トルソーが「くる病」は日光浴の不足が原因であり、タラの肝油が「くる病」の症状に効くことを発見しました。
※詳しくは下記記事をご参照ください。
カワイ肝油ドロップの効果
肝油と言えば、肝油ドロップですね。
肝油ドロップとは何?
「肝油ドロップ」は肝油と同等のビタミンAやビタミンDを摂取する目的で開発された医薬品又は栄養機能食品です。
ゼリーの中にビタミンAとビタミンDを混ぜ合わせて製造しています。
カワイ(河合)の肝油ドロップが有名です。
何とも、缶のデザインが何ともレトロです。
「カワイ肝油ドロップS 」は、指定第2類医薬品となっており、効能・効果が明記されています。
カワイ肝油ドロップSの成分
(2粒中)
成分:ビタミンA
含量:4000国際単位(IU)
成分:ビタミンD3
含量:400国際単位(IU)
添加物:カンテン、クエン酸、白糖、ブドウ糖、ペクチン、水アメ、グリセリン、クエン酸ナトリウム、香料、アラビアゴム
カワイ肝油ドロップSの効能・効果
・次の症状の緩和:目の乾燥感。
・骨歯の発育不良。
・夜盲症(とり目)。
・くる病の予防。
・次の場合のビタミンA・Dの補給:妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時、発育期、老年期。
肝油ドロップの効能・効果は予想通りでした。
子供は何歳から?
カワイ肝油ドロップSは何歳から飲んでよいのでしょうか?
上記で取り上げたカワイ肝油ドロップは医薬品です。
薬剤師や医師に確認する必要があります。
但し、肝油ドロップは栄養補助食品も販売されています。
以下は、ビタミンA、DにビタミンCを含んだゼリー状ドロップです。
年齢に関してはHPに以下の記載があります。
特に年齢制限はなく、一般的には咀嚼可能な1歳ごろからのご利用が可能と考えております。
幼稚園等で配布されている肝油ドロップは医薬品ではなく、栄養補助食品(サプリメント)の方です。
尚、”肝油”ドロップと”肝油”の名前が入っていますが、肝油は入っていません。
昔は入っていたようですが、現在販売されている”肝油”ドロップは、”肝油”の主成分であるビタミンAとビタミンDを配合したサプリメントです。
※上記はビタミンCも配合されています。
肝油ドロップの効果[子供]
そもそも、肝油ドロップはどういう意図で開発されたのでしょうか?
栄養が充分ではない時代には、夜盲症(鳥目)になる子どもが多くいたことから、その予防のために肝油ドロップが食べられていたようですね。
ならば、今の時代には必要ないのでは?と考える向きもあるかもしれません。
しかし、そう単純にはいきません。
例えば、河合(カワイ)ビタミンC肝油ドロップには以下の栄養が配合されています。
●ビタミンA
●ビタミンD
●ビタミンC
各々のビタミンの働きと多く含む食品を見てみましょう。
ビタミンA
ビタミンAは夜間の視力の維持を助けるとともに、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンAは、レバー、緑黄色野菜に多く含まれます。
[関連記事]カロテノイドとは?効果・副作用・多く含む食品・効果的な摂り方
ビタミンD
ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。
ビタミンDにはD2からD6まで5種類ありますが、ヒトにとって重要なのはD2とD3です。
●ビタミンD2:主に干し椎茸などのキノコ類に含まれています。
●ビタミンD3:鮭やマグロのトロといった魚類の身やアン肝のうな魚類の肝臓などに含まれています。⇒肝油
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化力があります。
ビタミンCが不足すると、免疫力が弱くなり、風邪などを引きやすくなります。
また、子供の場合成長が止まり、大人は老化が進んでしまいます。
ビタミンCはピーマン、パセリ、ブロッコリー等に豊富に含まれます。
如何でしょうか、いずれも、子どもが嫌いな食べ物、ほとんど食べない食べ物が該当します。
肝油ドロップは、現代の子供にも必要なサプリメントと言えそうです。
特に子供の成長に必要な栄養素ですので、「子どもの身長が低い」とご心配の時は、積極的な摂取が求められます。
肝油ドロップの効果[大人]
では、大人の場合はどうでしょうか?
子供の時に肝油ドロップを食べてあの味が忘れられないという大人に好評です。
後は、健康増進やビタミンCが入っているので風邪予防に飲まれている方もいます。
中には「美味しくて食べ始めると止まらない」という方も。
肝油ドロップは食べ過ぎによる副作用の危険性はないのでしょうか?
肝油ドロップの食べ過ぎによる副作用の危険性
カワイ肝油ドロップのHPには、過剰症の問題が記載されています。
但し、医薬品の肝油ドロップなのか、栄養補助食品として肝油ドロップなのかは不明です。
いずれにしても、肝油ドロップの成分であるビタミンA、ビタミンDは体に貯えられる性質があり、貯えられた物から必要に応じて使われるため、必要以上に摂取した場合に下記のような過剰症を引き起こす恐れがあります。
●ビタミンA過剰症
●ビタミンD過剰症
以下の分量は上記の「カワイ肝油ドロップM400」に関するモノです。
分量を見ると分かりますが、相当、数が多いです。
※数値は年齢や性別、健康状態により、多少変化いたします。
ここまで摂取する人がいるとは到底思えませんが。
ビタミンA過剰症
◇急性中毒:500粒以上(成人)・200粒以上(乳児)
◇慢性中毒:100粒以上(成人)・20粒以上(乳児)
ビタミンD過剰症
◇急性中毒:1万粒以上(成人)・1000粒以上(乳児)
◇慢性中毒:1000粒以上(成人)・100粒以上(乳児)
肝油ドロップ過剰症の症状
過剰症の症状には、下痢、腹痛、嘔吐、皮膚のかゆみなどがあります。
服用しすぎた時には、肝油ドロップの服用をしばらくの間中止していただければ、体内に蓄積されたビタミン類は自然に少なくなってきます。
ご心配の場合は、かかりつけのお医者様や薬剤師の方にご相談ください。