カロテノイド(カロチノイド)は黄、橙、赤色などを示す天然色素の一群です。
カロテノイドとは?種類は?
カロテノイドの効果効能は?副作用の危険性は?
カロテノイドを多く含む食品(野菜・魚)は?
カロテノイドの効果的な摂り方は?
カロテノイドに関する疑問を徹底解説します。
カロテノイドとは何か?
カロテノイド(カロチノイド、carotenoid)は黄、橙、赤色などを示す天然色素の一群である。
微生物、動物、植物などからこれまで750種類以上のカロテノイドが同定されている。
たとえばトマトやニンジン、フラミンゴやロブスターの示す色はカロテノイド色素による着色である。
自然界におけるカロテノイドの生理作用は多岐にわたり、とくに光合成における補助集光作用、光保護作用や抗酸化作用等に重要な役割を果たす。
ヒトをはじめとする動物の必須栄養素であるビタミンAの前駆体となるほか、近年ではがんや心臓病の予防効果も報告されている。
Wikipedia~カロテノイド
カロテノイドとカロチノイドの違い
カロテノイドと似た名前にカロチノイドがありますが、違いは何でしょうか?
カロチンはドイツ語「Carotin」、カロテンは英語「Carotene」です。
どちらも、「Carrot+Polyene」の合成語で、「Carrot」は、最初に発見されたニンジンに由来しています。
即ち、カロテノイドとカロチノイドは同じものです。
カロテノイドやカロチノイドに似た言葉にカロテンがありますが、五訂日本食品標準成分表で以前は「カロチン」とあったのが、現在は「カロテン」と表記が変わっています。
これに合わせて、カロテノイドも同様にカロテノイドと表記されることが多いです。
ただし、カロチノイドという表記も、カロテノイド(カロチノイド)というように両方の表記もあります。
カロテノイド(カロチノイド)とカロテン(カロチン)の違い
カロテノイド(カロチノイド)の種類の中に、β-カロテン(カロチン)やα-カロテン(カロチン)があります。
カロテノイド(カロチノイド)のうち分子中に酸素を含まないものをカロテン(カロチン)といいます。
カロテノイド色素とは?
食品の成分表示に「カロテノイド色素」という記載がある場合があります。
そもそも、「カロテノイド」が色素のことですが、何故、カロテノイド色素と「色素」が付いているのでしょうか?
「カロテノイド色素」と「色素」を付ける場合は、食品添加物に指定されている色素、つまり着色料を指す事が多いです。
▶カロテノイド色素について詳しくは⇒カロテノイド色素とは?効果・体への影響(副作用)・多く含む食品は?
カロテノイドを多く含む食品
カロテノイドには以下の種類があります。
カロテノイドの種類
カロテノイドには以下の種類があります。
※主なカロテノイドです。
●β-カロテン
●α-カロテン
●リコピン
●ゼアキサンチン
●ルティン
●アスタキサンチン
●β-クリプトキサンチン
ほとんどのカロテノイドは黄色ですが、黄色のカロテノイドが高濃度に蓄積することで橙色になる場合もあり、β-カロテンやリコペンのように橙色や赤色のカロテノイドもあります。
各々のカロテノイドを多く含む食品をご紹介します。
β-カロテン
しそ、モロヘイヤ、にんじん、パセリ、バジル等。
α-カロテン
ニンジン、カボチャ、アプリコット等。
β-クリプトキサンチン
みかん、ポンカン、はっさく、柿、パパイア等。
リコピン
ミニトマト、スイカ、グレープフルーツ、トマト、柿等。
ゼアキサンチン
ほうれん草、レバー、卵黄、とうもろこし、ブロッコリー等。
ルテイン
ケール、ほうれんそう、ブロッコリー、レタス、グリーンピース等。
▶ルテインについて詳しくは⇒ルテインの効果効能・副作用・ルテインを多く含む食べ物・食品を徹底解説
アスタキサンチン
鮭の身、きんめだい・あこうだいの赤い皮の部分、えび・かにの殻、いくら等。
[関連記事]アスタキサンチンとは?効果・副作用・多い食品・摂取量・効果が出る期間は?
カロテノイドの効果効能
カロテノイドの主な効果効能には以下のものがあります。
●プロビタミンA
●動脈硬化の予防効果
●老化防止効果
●発ガン抑制効果
●アレルギー抑制効果
●加齢性網膜黄斑変性病予防効果
プロビタミンA
カロテノイドの中には、体内で分解されビタミンAが不足していると必要に応じてビタミンAに変わるものがあり、これをプロビタミンAと呼びます。
β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンがプロビタミンAですが、β-カロテンがプロビタミンAの活性が最も高いです。
動脈硬化の予防効果
β-カロテンだけでなくリコピンや、β-クリプトキサンチン、ルテイン、フコキサンチンなどのカロテノイドにも、活性酸素の発生を抑え、除去する作用があり、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
老化防止効果
カロテノイドの抗酸化力により、老化防止効果が期待できます。
発ガン抑制効果
β-カロテンよりも、アスタキサンチンやリコピンの方が抗酸化作用が高く、また単一というよりも、数種類のカロテノイドを複合した方が発ガン抑制効果があるというような報告もあります。
アレルギー抑制効果
アレルギーの原因の1つに活性酸素があります。
カロテノイドの抗酸化力により、アレルギーを抑制する効果が期待できます。
加齢性網膜黄斑変性病予防効果
人間の網膜とレンズには、ルテインとゼアキサンチンが存在し、光による組織の酸化を抑制しています。
これらの摂取が目の健康維持に有効ではないかと考えられ、今後の研究が期待されています。
カロテノイドの副作用の危険性
カロテノイドは天然の動植物に含まれる色素なので、副作用の危険性は考えられませんが、カロテノイド配合のサプリメントの過剰摂取には副作用の可能性があります。
β-カロテンの副作用
β-カロテンは、必要に応じてビタミンAと変わるため、過剰障害はないとされ、食事摂取基準の上限量も設定されていません。
しかし、高用量β-カロテン摂取については、フィンランドの喫煙男性に対するβ‐カロテンとビタミンEの介入試験や、米国の喫煙者・アスベスト暴露者に対するβ‐カロテンとビタミンEの介入試験では、肺がんリスクが増加する可能性が示されました。
カロテノイドの効果的な摂り方
カロテノイドは、水に溶けにくく油に溶ける性質を持っていますので、油とともに摂取すると吸収率が高まります。
トマトソースやガスパチョなどを作る時にオリーブオイルと合わせて調理するのは、おいしくなるだけでなくリコピン(トマトに含まれるカロテノイド)を摂取する上でも理にかなっています。