更年期障害というと、女性に特有な症状というイメージがありますが、実際は男性にも更年期障害があります。
男性の更年期障害とは?始まる年齢は?
症状は?検査は何科?
対策は?病院での治療方法は?
男性の更年期障害に関する疑問をスッキリ解決!

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更年期障害[男性]とは何?

女性の更年期障害は女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量の低下が主な原因ですが、男性の更年期障害は男性ホルモン「テストステロン」の低下で起こります。

男性の更年期障害の年齢

男性イライラ男性の更年期障害が起こる時期は個人差が大きく、男性ホルモンの低下が始まる40歳以降は、どの年代でも起こる可能性があります。

但し、女性の更年期障害が閉経を挟んだ前後5年間(10年間)の期間で起こるのに対し、男性の更年期障害には「閉経」はありませんので、時期は決まっていません。

男性の更年期障害の症状

男性ホルモンは全身に作用し、筋肉や骨を強くする、性機能を正常に保つなどの働きがあるほか、判断力や理解力などの認知能力を高める役割を果たしています。

男性ホルモンの働きは多岐にわたるため、低下するとさまざまな症状が現れます。

男性の更年期障害の主な症状は以下のものです。

●興味や意欲の喪失
●不眠
●イライラ
●不安・憂うつ
●関節痛・筋肉痛
●発汗・ほてり
●疲れやすい
●肥満
●頻尿
●性機能の低下

肥満

男性ホルモンには、肥満を抑える作用があるため、低下すると、食事や運動量など生活習慣が変わらないのに、太りやすくなります。

男性の更年期障害の症状に「憂うつ」がありますが、一般的な「うつ病」では痩せることが多いの対して、男性の更年期障害では太るのが特徴です。

男性の更年期障害の検査

男性の更年期障害が疑われる場合は、病院で検査を行ないましょう。

病院は泌尿器科が窓口です。
但し、最近では、男性更年期外来やメンズヘルス外来などの専門外来を設けている医療機関もあります。

検査には問診と血液検査があります。

問診

問診では、心身にどのような更年期障害が疑われる症状が出ているか、性機能の低下がないかなどを確認します。

血液検査

男性の更年期障害の主な原因は男性ホルモン「テストステロン」の分泌量の低下です。

血液検査で男性ホルモンが十分に分泌されているかどうかを調べます。

血液中のフリーテストステロンの値が8.5pg/mL未満で、心と体の症状が強い場合、男性の更年期障害と診断されます。

男性の更年期障害の対策

男性の更年期障害の症状は女性と同じく、症状が重い人と軽い人がいます。
※個人差があります。

男性の更年期障害の対策としては、症状を重くしない、症状を軽くする過ごす為にできる対策をご紹介します。

●競い合う
●運動
●睡眠
●ストレスを溜めない

競い合う

ゴルフなどのスポーツをする、囲碁や将棋のようなゲームをするなど、仲間と競い合うようにすることで、男性ホルモンが分泌され、症状の改善が期待できます。

いわゆる闘争心ですね。

また、展覧会に作品を出品する、カラオケをするなど、人から評価される趣味を持つことも有効です。

運動

運動して体の大きな筋肉に刺激を与えると、男性ホルモンの分泌が増えることがわかっています。

腕立てやスクワットなどの筋力トレーニング、階段の上り下り、少し息切れするくらいの速さで歩くなどの運動を、毎日10分程度でもよいので継続することが大切です。

睡眠

男性ホルモンは眠っている間に分泌されます。
従って、不眠症などで十分な睡眠がとれなくなると、男性ホルモンの値が低いままになってしまいます。

睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を増やす工夫をしましょう。
[関連記事]メラトニンとは?セロトニンとの関係・メラトニンを増やす方法[食べ物・光]

「カフェインを飲むと眠れない」といった方は、夜にカフェインを含む飲物を飲むのを控えましょう。
[関連記事]ノンカフェインコーヒーとは?カフェインレスコーヒーの違い・効果と危険性

ストレスを溜めない

過剰なストレスがかかると、精巣で男性ホルモンを作る能力が落ちてしまいます。

趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消法を持つようにしましょう。

男性の更年期障害の治療方法

男性の更年期障害の治療方法には以下のものがあります。

●男性ホルモン補充療法
●漢方薬
●薬

男性ホルモン補充療法

男性ホルモンの値が著しく低下して、更年期障害の症状が重い場合は、男性ホルモン補充療法を行います。

但し、テストステロンを補充すると、精子を作る機能が抑制されて、男性不妊を起こす恐れがあります。

その為、将来子どもを希望する場合には、hCGホルモンでテストステロンの分泌を促します。

尚、男性ホルモンは、前立腺がんを進行させる可能性があるため、前立腺がんの患者さんは治療が受けられません。

また、肝臓に負担がかかる可能性があるため、肝臓病がある人も受けられません。

漢方薬

男性の更年期障害で使われる代表的な漢方薬は補中益気湯[ほちゅうえっきとう]で、だるさ、気力がない、疲れやすいなどの症状に有効です。

更年期障害の症状でうつ症状や不安症状など、心の症状がある場合は、抗うつ薬、抗不安薬などを使うことがあります。

また、男性ホルモンが低下すると骨が弱くなってくる為、骨粗しょう症薬を使うこともあります。

男性の更年期障害の対策サプリメント

女性の更年期障害の場合は、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをする大豆イソフラボン又はエクオールのサプリメントがありますが、男性の場合、更年期障害の対策サプリメントは特にありません。

但し、男性ホルモン「テストステロン」の分泌は食事によって変わるので、「テストステロン」の分泌を増やす食品又はサプリメントを摂取することで、男性の更年期障害の症状が軽くなる可能性はあります。

男性のテストステロンの分泌を高め、更年期障害に効果が期待できる成分に以下のものがあります。

●山芋
●トンカットアリエキス
●亜鉛・ビタミンD

山芋

山芋に含まれるジオスゲニンは、テストステロンの前駆体であるDHEAを増やす作用を持つ。

トンカットアリエキス

マレーシア原産のハーブ、トンカットアリは、1日200mgのエキスを1カ月飲むと血液中のテストステロンが増加、男性更年期障害が改善した例がある。

亜鉛・ビタミンD

亜鉛とビタミンDは血中濃度が高い人ほどテストステロン濃度も高かったという報告がある。
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