美容・健康効果が期待され、女性の関心が高い大豆イソフラボン。
大豆イソフラボンにはどのような効果効能があるのでしょうか?
男性には効果がないのでしょうか?
大豆イソフラボンを多く含む食品は?摂取量の上限は?
大豆イソフラボンの過剰摂取による害は?
大豆イソフラボンの疑問をスッキリ解決!
大豆イソフラボンとは?
大豆イソフラボンは大豆の胚芽に含まれるフラボノイドと呼ばれるポリフェノールの一種です。
大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きがあるのが特徴です。
大豆イソフラボンの効果:女性
大豆イソフラボンに期待できる効果[女性]に以下のものがあります。
●抜け毛を抑制する効果
●更年期障害を軽くする効果
●月経前症候群の緩和
●骨粗しょう症の予防
●美肌効果
抜け毛を抑制する効果
女性ホルモン「エストロゲン」には、髪の毛の毛周期(ヘアサイクル)を長くする働きがあります。
妊娠期には女性ホルモンの分泌が増えますので、抜け毛が減ります。
しかし、産後には女性ホルモンの分泌が通常のレベルに戻るので、今まで、抜けるのが抑えられていた髪の毛も一気に抜けるので、抜け毛が増えます。
産後に抜け毛が増えるのはこういう理由からです。
更年期障害を軽くする効果
女性は加齢とともに女性ホルモンの分泌が減ります。
特に更年期には女性ホルモンが急激に減少するので、抜け毛が増え、薄毛になる可能性も。
40~50代の女性に薄毛の悩みが増えるのはこういう事情です。
[関連記事]抜け毛の予防と対策[男性・女性別]効果的な食べ物とNGな食べ物
日本の女性は欧米の女性に比べ、ほてり、のぼせなどの更年期の諸症状が軽いといわれていますが、これは、大豆イソフラボンを多く含む大豆食品を普段から摂っていることとは無縁ではないでしょう。
月経前症候群の緩和
月経前症候群とは、月経開始の3~10日前から始まる精神的(憂うつ、イライラなど)、身体的症状(頭痛、肩こり、肌荒れなど)などのことです。
大豆イソフラボンの摂取により、月経前症候群による頭痛や不安感などが改善されたとの報告例があります。
骨粗しょう症の予防
血中のカルシウムが不足すると、骨のカルシウムから補う仕組みがあります。
この時、カルシウムが過剰に溶けださないよう抑制する働きをしているのが女性ホルモンです。
しかし、女性ホルモンの分泌が減少すると、この抑制が効かなくなり、カルシウムが溶けだす一方になり、やがて、骨の内部がスカスカになる骨粗しょう症になる可能性があります。
大豆イソフラボンを含む大豆食品を補う事で、女性ホルモンの働きを補完することができ、骨粗しょう症の予防に繋がります。
乳がんの予防
女性ホルモン「エストロゲン」は過剰に分泌されると、乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体(レセプター)と結びつき、がん細胞の増殖を促す作用があります。
大豆イソフラボンは、このレセプターに先回りして結合しエストロゲンの働きを抑えるので乳がん発症リスクが下がると考えられています。
疫学調査でも大豆イソフラボンを多く摂取している人ほど、乳がんの発症リスクが下がることが報告されています。
美肌効果
女性ホルモン「エストロゲン」は別名「美のホルモン」とも呼ばれ、肌の弾力やハリの元であるコラーゲンを生成し、肌の潤いの源にもなります。
イソフラボンはエストロゲン様作用による美肌効果があります。
大豆イソフラボンの効果:男性
それでは、男性が大豆イソフラボンを摂取すると、どのような効果があるのでしょうか?
前出の説明では、大豆イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをするということでした。
男性には関係のないようにも思えます。
しかし、実際の所、男性にも女性ホルモンが存在します。
男性がイソフラボンを摂取することによって、男性ホルモンを抑制して女性ホルモンを活性化させる作用が働きます。
ということは、男性ホルモンが主要因である男性型脱毛症(AGA)に効果が期待できるということです。
ムダ毛用の抑毛剤(ローション等)に大豆イソフラボンが使われるのは、これが理由です。
ただし、注意しないといけないが大豆イソフラボンの過剰摂取です。
※後述します。
男性が大豆イソフラボンを過剰摂取すると、男性機能が衰えてくる可能性があります。
大豆イソフラボンの多量摂取によって胸が膨らんできたという男性の話も聞きますので、注意が必要です。
※科学的に解明されているわけではないので確かな話ではありません。
大豆イソフラボンを多く含む食べ物
大豆イソフラボンは大豆に含まれます。
大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは以下の内容です。
※製品によって異なります。一例です。
納豆:1パック(50g)当たり65.0mg
大豆飲料:125ml当たり69.0mg
豆腐:1/2丁(110g)当たり55.0mg
油揚げ:1/2枚(75g)当たり52.5mg
大豆煮:50g当たり30.0mg
きな粉:おおさじ1(6g)当たり15.6mg
みそ:おおさじ1(18g)当たり7.2mg
豆乳:1パック(200g)当り41㎎
大豆イソフラボンの過剰摂取による害
大豆イソフラボンの摂り過ぎによる害はなにのでしょうか?
大豆イソフラボンの摂取量の上限
食品安全委員会による「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」おいて、大豆イソフラボン(アグリコンとして)の摂取目安量の上限値は、1日に75mg、そのうち、サプリメント等の健康食品からの上限は30mgに設定されています。
大豆イソフラボンの摂取目安量の上限:75㎎
その内、サプリメント等の健康食品からの上限量:30㎎
※いずれも1日あたり
上記の「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」には「大豆あるいは大豆食品そのものの安全性を問題としているのではなく、特定保健用食品として、大豆イソフラボンを通常の食生活に上乗せして摂取する場合の安全性を検討した。」「大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としてしの上限値であること、また、大豆食品の摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結び付くというものではない」ということが記されています。
一度にこの量を超えた大豆イソフラボンを食品から摂取したからと言って、即、健康に悪影響を及ぼすわけではありません。
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