人工甘味料というと、=(イコール)合成甘味料というイメージですが、人工甘味料には合成甘味料と糖アルコールがありますが、合成甘味料を取り上げます。
合成甘味料とは何か?合成甘味料の種類は?
危険性(副作用)は?糖尿病リスクは?
合成甘味料に関する疑問について徹底解説します!
人工甘味料の種類・違い
人工甘味料というと、=(イコール)合成甘味料として、解説した記事が多いですが、正確ではありません。
下図のように、人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールからなります。
合成甘味料と糖アルコールとも人工的に合成された甘味料ですが、その違いは大きいです。
その違いは、糖アルコールが、元々自然界(食品)にある甘味成分を人工的に合成したものであるのに対し、合成甘味料は、元々自然界(食品)に存在しない甘味成分を人工的に合成したものだからです。
以下は天然甘味料、糖アルコール、合成甘味料の違いを一覧表にもとめたものです。
甘味成分を精製・濃縮 | 甘味成分を人工的に合成(人工甘味料) | |
---|---|---|
元々自然界(食品)にある甘味成分 | 天然甘味料 【例】ショ糖・ステビオサイド(原材料はステビア)・蜂蜜・メープルシロップ・麦芽糖 | 糖アルコール 【例】エリスリトール・グリセリン・イソマルト・マルチトール・マンニトール・ソルビトール・ラクチトール・キシリトール |
元々自然界(食品)に存在しない甘味成分 | 合成甘味料 【例】アスパルテーム・アセスルファムカリウム(アセスルファムK)・スクラロース・サッカリン・ネオテーム |
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当然、元々自然界(食品)に存在しない甘味成分を人工的に合成した合成甘味料の危険性が気になります。
※合成甘味料の危険性については後述します。
合成甘味料とは?種類は?
出典:Wikipedia~甘味料
食品添加物の指定を取り消されたものに、ズルチン、チクロ(サイクラミン酸)があります。
「第二次世界大戦後にズルチン・ペリルアルデヒド(紫蘇糖)・チクロなどの毒性が問題になり、相次いで使用が禁止された。」
出典:Wikipedia~甘味料
※合成甘味料の危険性は後述します。
合成甘味料の特徴
何故、合成甘味料を人工的に作り出したのか?
それは、安価に低カロリー、カロリーゼロの甘味料を作り出せるからです。
※甘さは砂糖の何百倍というのも大きな特徴です。
古くは砂糖よりも製造コストが低い甘味料が菓子などに砂糖の代用として使用された。
砂糖の数百倍程度の高甘味度を持つ添加物を使用すると食品の糖類含有量を減らすことができ、カロリーを抑える効果がある。
清涼飲料水・菓子・アルコール飲料などに利用されることがある。
出典:Wikipedia~甘味料
また、人工甘味料を摂取しても”血糖値は上昇しない”ことが確認されています。
健常人にブドウ糖、果糖、または3種類の人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)のいずれかを投与して血糖値、インスリン値の反応を比較検討した報告では、ブドウ糖を投与したときは、血糖値、インスリン値はともに上昇したが、人工甘味料を投与したときは、血糖値、インスリン値ともに上昇は認められなかった。
出典~人工甘味料と糖代謝
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001494.html
[注]
上記の記事には「人工甘味料は砂糖のような自然に存在するものと異なり、人工的に化学合成された甘味料である。代表的なものとしてアスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロースがある。」という記述があり、人工甘味料=合成甘味料という解釈です。
合成甘味料の種類
主な合成甘味料の甘さ、使用頻度、用途を表にしました。
合成甘味料名 | 甘さ | 使用頻度・用途 |
---|---|---|
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物) | 砂糖の200倍 | 使用頻度高い コカ・コーラ/コカ・コーラゼロ/ペプシネックス/ペプシスペシャル/キリンメッツコーラ |
アセスルファムカリウム(アセスルファムK) | 砂糖の200倍 | 使用頻度高い 菓子や飲料への使用が多い |
スクラロース | 砂糖の600倍 | 使用頻度高い 水に溶けやすく清涼飲料水やアイスクリームに使われている他に、熱や酸に強いので、クッキーやビスケットなどの焼き菓子にも用いられる。 |
サッカリン(サッカリンナトリウム) | 砂糖の350~700倍 | 歯磨き粉やのどスプレーなどに添加。1960~70年代、ダイエット食品に非常に多用された。 |
ネオテーム | 砂糖の1万倍 | ーグルトやケーキ、キャンディ、ガム、コーヒー飲料や清涼飲料水 |
アドバンテーム | 砂糖の2~5万倍 | プリンやゼリー、焼き菓子 |
合成甘味料の特徴と危険性
各々の合成甘味料の特徴と危険性です。
アスパルテーム
アミノ酸由来の人工甘味料。
アセスルファムK(カリウム)、スクラロースと並び、「人工甘味料御三家」と呼ばれています。
米国で開発され、日米とも1983年に食品添加物に指定されましたが、当初から毒性が問題になっている人工甘味料です。
アスパルテームを摂取すると、体内で神経毒といわれる有害物質のメタノールが形成され、さまざまな健康被害を引き起こす恐れがあります。
マウスの実験では白血球の減少が見られています。
また、アスパルテームにはフェニルアラニンが含まれており、フェニルアラニン尿症患者が大量に摂取した場合、健康に及ぼす影響は重大です。特にフェニルアラニン尿症の新生児の場合、影響はより深刻になるといわれています。
アセスルファムK
2000年に食品添加物に指定。
動物実験では甲状腺異常、肝機能障害が起きています。
また、アレルギー症状が出る人もいます。
スクラロース
ラットの実験では、善玉菌も含めた腸内細菌を殺してしまうという結果が出ています。
米国ワシントン大学医学部研究チームのヤニナ・ベビーノ博士は、人がスクラロースをブドウ糖と一緒に摂取すると、インスリンが多く分泌され、糖尿病発症のリスクが高まると報告しています。
ネオテーム
熱に弱く水に溶けやすいアスパルテームに対して、ネオテームは熱に強く水に溶けやすいという特徴があるので、食品業界では非常に注目されている人工甘味料です。
しかし、毒性はアスパルテーム以上といわれているので、もっとも避けるべき人工甘味料です。
サッカリンナトリウム
不純物のスルホル酸アミドを含む低純度のものは、動物実験で子宮がん、膀胱がんを引き起こしています。
高純度のものは無害との報告が米国で出ていますが、中国製のサッカリンナトリウムなどは注意が必要です。
アドバンテーム
味の素がアスパルテームを元に開発し、2014年に食品添加物に指定されました。
甘さが長く続くことから雑味をマスキングする効果があるとされています。
ネオテーム同様、避けるべき人工甘味料です。
糖質制限中に砂糖の代用品におすすめの甘味料はエリスリトールです。