日光浴の効果はビタミンDを合成し、カルシウムの吸収を助けるだけでなく、セロトニンの分泌を促す効果もあります。
ビタミンDは食品やサプリからも摂取できますが、基本は日光浴です。
ここでは、ビタミンDに限定してその効果及び効果的な日光浴の仕方[時間等]をご紹介します。

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紫外線は危険?

紫外線対策太陽の光に含まれている紫外線を浴びると、皮下でビタミンDが合成されます。

しかし、現代人の多くは紫外線を浴びることに強い抵抗があります。
その理由は、紫外線は皮膚の老化を進めてシミやシワを作る光老化(フォト・エイジング)を引き起こすからです。

また、真夏の海水浴で日焼けをすると肌が真っ赤になったり、水ぶくれが生じたりすることがあります。

これは主にUVBによる急性の炎症であり、「サンバーン」と呼ばれます。
数日して炎症が治まると、今度は皮膚が黒くなる「サンタン」が起こります。
いやゆる日焼けです。

この他、紫外線は皮膚がんの原因にもなると考えられています。

そういった理由で、「日光浴はしない」「外出する時は日焼け止めを塗って、紫外線対策をしてから行く」という方も多いのではないでしょうか?

しかし、紫外線は本当に皮膚がんの原因になるのでしょうか?

皮膚がんの原因は紫外線ではない?

一口に皮膚がんといっても様々なタイプがあります。
なかでも、一番恐れられているのはメラノーマ(悪性黒色腫)です。

メラノーマは、皮膚の表皮でメラニンを作っているメラノサイトや、ホクロの細胞である母斑細胞ががん化したもの。

メラノーマが恐れられている理由は、比較的若い世代で発病しやすく、リンパ節や周囲の皮膚に転移を引き起こすⅣ期まで進行すると、5年生存率が10%に満たない為です。

しかし、メラノーマがもっとも出来やすい場所は、普段は紫外線を浴びることのない部位であることをご存じですか?

皮膚がんの原因が紫外線であるという主張には無理が生じてきました。

そればかりか、疫学研究者のガーランド兄弟は、太陽光で作られるビタミンDは逆にメラノーマを初めとする深刻ながんの予防になるという研究を行っています。

彼らは、日焼け止めを頻繁に塗って日光によるビタミンDの生成を抑えると、メラーノーマの羅漢リスクが高くなると主張しています。

実際、日焼け止めが一般に普及する以前の1950年代から誰もが日焼け止めを使うようになった1990年代にかけて、アメリカのメラノーラによる死亡率は女性で2倍、男性で3倍に増えているそうです。

ビタミンDの効果

ビタミンDには以下の効果が期待できます。

  • 高齢者の骨折予防
  • がん(大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がん)抑制効果
  • 動脈硬化性疾患(心臓病、脳卒中)のリスクが下がる効果
  • 認知症(アルツハイマー型認知症)の予防効果
  • 高血圧を下げる作用
  • 2型糖尿病の予防
  • アレルギー疾患(花粉症・アトピー性皮膚炎、遅延性フードアレルギー)の改善
  • 自己免疫疾患(関節リュウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、1型糖尿病)の改善
  • 感染症(かぜ、インフルエンザ)を予防
  • 精神障害(うつ病、季節性うつ、自閉症、統合失調症)の改善

※詳しくはこちらの記事をご覧下さい。⇒ビタミンDの効果[骨折予防・癌・糖尿病・高血圧・うつ・花粉症]と1日摂取量

ビタミンD合成の為の効果的な日光浴の仕方

体内でビタミンDwo合成する為に必要な紫外線(UVB)量は以下の条件で変わります。

①季節・時刻・気象条件
②地理的条件~緯度と標高
③暴露条件~時間と面積

各々見ていきましょう。

季節・時刻・気象条件

まず、紫外線(UVB)量は同じ地域でも季節及び時間帯等によって異なります。

照射量が少なくなる10月から翌年3月までは意識して日光を浴び、鰯や鮭のようにビタミンDが多い魚類などを意識して食べ、必要に応じてサプリメントを組み合わせてください。
※ビタミンD3サプリメントについては⇒ビタミンD3サプリメント比較おすすめランキング[口コミ]

1日の内では正午を挟む2時間前後がもっとも強く、降り注いでいます。

より多くのビタミンDを作るなら正午前後、地域や季節にもよりますが、1日30分程度を目安に、太陽光を浴びましょう。

地理的条件~緯度と標高

地理的条件で問題になるのは緯度です。

緯度が高くなる、日本のような北半球では北へ行けば行くほど、太陽光は大気で散乱されやすくなりってUVB量は減ります。

また、標高が高くなるほど、空気が散乱される距離が短くなり、降り注ぐ、UVB量は増えてきます。

暴露条件~時間と面積

暴露条件では、皮膚をどれだけ広く日光にさらすかという「皮膚露出面積」と、さらしている時間である「暴露時間」にビタミンD生成量は左右されます。

表面積が2倍になると得られるビタミン量は2倍、同じ量のビタミンDを得る為に必要な暴露時間は半分になります。

地域別ビタミンD生成量の比較

以下は、紫外線(日光浴)で10μgを体内で合成するのにどれくらいの時間を要するかを地域と季節で比較した表です。

札幌横浜沖縄
3月下旬25分15分10分
8月上旬4分5分4分
10月上旬25分20分15分
12月中旬250分40分30分

※8月上旬は半袖の場合

緯度の高い札幌では、12月中旬では250分と他のエリアの6倍以上の時間がかかります。
これは物理的無理なので、ビタミンDを多く含む食品やサプリメントで補充するしかありません。
※本記事は「病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力 (講談社+α新書)」を主に参照しました。