子供のビタミンD不足はビタミンD欠乏症を引き起こし、低身長のリスクがあります。
さらに、子ども自身の問題だけでなく、妊活中にお母さんがビタミンD不足だと、生まれてきた赤ちゃんがビタミンD欠乏症になる可能性も。
子供がビタミンD欠乏症にならないよう、妊活中のお母さんが取るべき対策についてご紹介いたします。
子供のビタミンD欠乏症の原因
ビタミンD欠乏症とは、病名の通り、体内におけるビタミンDが欠乏している病態です。
ビタミンD欠乏症と診断される子どもの割合が少しずつ増えています。
※1~15歳の子供では、2014年には10万人当たり12.30と、2009年と比べて5年間で3倍以上に増加。
その原因の一つに母親が妊娠中に浴びる太陽光の不足が考えられています。
「頭蓋ろう」が2割
大阪市立総合医療センター小児代謝・内分泌内科の依藤享部長らの調査では、2006年に生まれた約1100人の新生児の頭蓋骨を調べたところ、指で軽く押してみるとピンポン玉のようにへこむ状態の「頭蓋ろう」という症状が約2割認められた。
ビタミンD欠乏症によって起きたと見られる。
生まれ月による違い
生まれ月による違いもあった。
5月生まれの約3割に症状が見られたが、11月生まれでは1割にとどまった。
妊娠期間が主に冬になる5月生まれは、妊娠中に浴びる太陽光の不足が原因の可能性があるという。
血中のビタミンDの量の違い
また、血中のビタミンDの量も調べた。
その結果、母乳で育つ赤ちゃんのほとんどが欠乏していたが、人工・混合乳ではほぼ全員が正常だった。
完全母乳の場合は、ビタミンDをサプリなどで補う工夫の必要性を指摘する専門家もいる。
※2018年10月15日の朝日新聞を参照
子供のビタミンD欠乏症の症状
母体のビタミンDの不足は子供のビタミンD欠乏症の原因となります。
ビタミンD欠乏症の症状には以下のものがあります。
・二次性の骨粗鬆症
・骨の石灰化不全
・くる病
「くる病」では、骨の成長に必要な骨端軟骨の石灰化が生じにくいために低身長になります。
子供の低身長の原因は成長期の過ごし方だけでなく、お母さんのお腹の中にいる時から既に始まっていると言えます。
[関連記事]子供のビタミンD不足でビタミンD欠乏症・くる病に~防ぐ対策は?
ビタミンDの必要量
1日に必要なビタミンDの摂取量がどれくらいでしょうか?
1日必要とされるビタミンDは大人で15マイクログラム。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、1日に摂取するビタミンDの目安を、生後1歳未満で5マイクログラム、大人で5.5マイクログラムとしています。
1日必要とされるビタミンDと食事摂取基準には約10マイクログラムの差(=15-5.5)がありますが、これは日光浴することで合成して作り出すことを推奨しているようです。
※ビタミンDは食物として経口摂取されるだけでなく、日光に当たることで皮膚でもつくられます。
また、ビタミンDサプリメントの「スーパービタミンD」の商品説明には以下の記載があります。
健康リスクに立ち向かうには、1日あたり20~25μg(800~1000I.U.)必要であるとされています。
ビタミンD欠乏症を防ぐ為の日光に当たる時間は?
では、紫外線(日光浴)で10マイクログラムを体内で合成するにはどれくらいの時間、日光を浴びれば良いのでしょうか?
それは日差しの強さによりますので、地域と季節及び時間帯によって異なります。
以下は国立環境研究所が公開している目安です。
ビタミンD欠乏症を防ぐ為の紫外線を浴びる時間
札幌 | 横浜 | 沖縄 | |
---|---|---|---|
3月下旬 | 25分 | 15分 | 10分 |
8月上旬 | 4分 | 5分 | 4分 |
10月上旬 | 25分 | 20分 | 15分 |
12月中旬 | 250分 | 40分 | 30分 |
※8月上旬は半袖の場合
表でお分かりの様に12月中旬では沖縄が30分に対し、札幌では何と250分(約4時間)日光浴をしなければならない計算になり、これは妊婦にとっては特に非現実的です。
ビタミンDが食品や紫外線による合成で補えない方におすすめなのがビタミンDサプリメントです。
※サプリメントについては後述します。
ビタミンDが多い食べ物
ビタミンDは魚に多く、サケ1切れに約25マイクログラム、秋刀魚一匹に約15マイクログラム含まれます。
また、キノコ類にも多く含まれます。
ビタミンDの過剰摂取
次にビタミンDの過剰摂取について触れておきます。
「1日必要とされるビタミンDは大人で15マイクログラム。」ということを前述しましたが、ビタミンDの1日所要量は、5歳以下の幼児で400IU(=10μg)、成人で1000IU(=25μg)と諸説あります。
そういった中で、「病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力」の著者である斎藤糧三医師は1日に100μgをビタミンD摂取を推奨しています。
[関連記事]日本のビタミンDの1日摂取量と問題点
ビタミンD過剰摂取の症状
ビタミンDを過剰に摂取すると、腸管からのカルシウムの吸収が促進されるために血中カルシウムの濃度が上昇し、それに伴って血管壁、腎臓や脳などにカルシウムが沈着します。
その結果、以下の症状が認められます。
・食欲不振
・悪心(おしん)
・嘔吐
・口の渇き
・昏睡(こんすい)
・けいれん
ビタミンDサプリメント
ビタミンDはD2(エルゴカルシフェロール)とD3(コレカルシフェロール)の2種類がありますが、D3がヒトの人体で有効に働くとされる一方、ラットなどのいくつかの種ではD3よりD2の方が効果が高いと報告されています。
国内の市販のビタミンDサプリメントはほとんどがD3です。
ビタミンDの含有量を表記する単位として、これまではIU(国際単位)が用いられてきました。しかし、現在ではμg(マイクログラム)が主に使われています。
1μg=40IUと、単位によって40倍の開きがあります。
ビタミンDサプリメントを選ぶ時は単位に注意しましょう。
実際のビタミンDサプリメントは1粒25μg~125μgであります。
おすすめのビタミンDサプリメントについてはコチラの記事をご覧ください。⇒ビタミンD3サプリメント比較おすすめランキング
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