亜鉛はタンパク質の合成に必要な必須ミネラルです。
亜鉛不足になると、どのような症状が起こるのでしょうか?
亜鉛不足で典型的な症状は「食べ物の味が分からない」等の味覚障害です。
亜鉛不足になる原因は何?
亜鉛不足が分かるチェックリストは?病院での検査は?
亜鉛不足の疑問について分かりやすく解説します!

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亜鉛とは?

生牡蠣レモン

亜鉛は成人の体内に約2g存在し、主に皮膚や骨、肝臓、眼球、筋肉などに含まれています。

タンパク質の合成に必要な必須ミネラルです。
体内で合成できないので、食べ物等から摂取する必要があります。

[関連記事]亜鉛の効果と副作用・摂取量の上限・亜鉛を多く含む食べ物

亜鉛不足になると?

通常の食事をしていれば不足することはないと言われていますが、近年、亜鉛不足が指摘されています。

平成25年の国民健康・栄養調査でも男女ともに推奨量を下回っています。

亜鉛の1日推奨摂取量

亜鉛の1日推奨量(2015年版)は、成人男性は10㎎、女性は8㎎(妊婦は+2~3㎎)となっています。
※「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)

しかしながら、一般成人で摂取量が少ない傾向にある他に,特に子どもと老人,若い女性で亜鉛が不足している状況にあると考えられます。
※若い女性の摂取量はわずか6.5mg 程度

亜鉛不足の症状

亜鉛不足によって、どのような症状が起きるのでしょうか?
以下の症状が亜鉛不足によって起きる可能性があります。

●味覚障害
●感染症にかかりやすい
●爪や皮膚の異常
●低身長(成長障害)
●生殖(性腺)機能障害
●抜け毛
●口内炎
●食欲低下
●下痢
●骨粗しょう症
●傷が治りにくい

亜鉛不足の症状:味覚障害

食べ物の味は、舌にある味蕾(みらい)という器官で感じ取ります。
味蕾は約4週間のサイクルで生まれ変わります。
亜鉛はこの働きを促しており、不足すると「味がわからない」、「本来の味ではない味がする」、「何も食べていないのにいやな味がする」等の味覚障害が起こる可能性があります。

亜鉛不足の症状:感染症にかかりやすい

亜鉛が不足すると免疫機能が低下するため、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。

また感染に対する抵抗力も弱くなり、重症化したり、症状が長引く、繰り返し風邪を引く等の症状が出やすくなります。

亜鉛不足の症状:爪や皮膚の異常

亜鉛は皮膚や粘膜、爪の状態を良好に保つのに役立ちます。

原因疾患のない、かゆみを伴う皮膚や慢性湿疹そして爪の異常や脱毛も亜鉛欠乏が関わると考えられています。

亜鉛不足の症状:低身長(成長障害)

亜鉛は成長ホルモンや性ホルモン等発育に関するホルモンの産生や働きに関わってます。

子どもに亜鉛不足があると身長の伸びや体重の増加に障害が起こる可能性があります。

亜鉛不足の症状:生殖(性腺)機能障害

亜鉛は生殖機能に深く関与しています。

亜鉛が不足すると、男性の性腺(精巣:精子や男性ホルモンをつくる場所)に発達障害や機能不全が起き、精子の減少、性欲の減退等の症状が現れることがあります。

亜鉛不足が男性不妊症の原因になることもあります。
※男性不妊症については別記事参照

亜鉛不足の症状:抜け毛

亜鉛不足で、毛根の周囲にトラブルが生じ、抜け毛が起きます。
円形脱毛症では亜鉛不足が多く見られます。

亜鉛不足の症状:口内炎

亜鉛不足で口腔内の免疫力や、たんぱく質合成能力が低下して、その結果、粘膜が弱くなることで、口内炎が起きやすくなります。

亜鉛不足の症状:食欲低下

亜鉛が不足すると、胃や腸など消化管の働きが悪くなり、食欲が低下します。

食べる量が減るために亜鉛がさらに足りなくなり、悪循環を招いてしまいます。

亜鉛不足の症状:下痢

亜鉛不足で消化管の働きが悪くなることや、腸の粘膜の免疫機能が低下することから、下痢を起こしやすくなります。

亜鉛不足の症状:骨粗しょう症

亜鉛は骨の生成に大きく関わっています。
そのため、亜鉛が不足すると骨粗しょう症になりやすくなります。

亜鉛不足の症状:貧血

亜鉛は赤血球を作る働きに関係しているため、亜鉛不足の人は貧血になることがあります。
※亜鉛欠乏性貧血については後述

亜鉛不足の症状:傷が治りにくい

亜鉛はたんぱく質の合成や細胞の再生に関わっているため、不足すると傷の修復力が低下し、傷が治りにくくなります。寝たきりの高齢者等にできる床ずれが治りにくく重症化する人には亜鉛不足が見られます。

亜鉛不足の原因

亜鉛は通常の食事では不足しないと考えられています。
それが、何故不足するのでしょうか?

亜鉛不足には以下の原因が考えらえます。

●偏った食事や極端なダイエット
●加工食品やレトルト食品を常食
●お酒をよく飲む
●アスリート・スポーツ選手
●コーヒー・オレンジ等
●病気
●薬
●高齢者

偏った食事や極端なダイエット

亜鉛は肉類や魚介類などに多く含まれています。

偏った食事や極端なダイエットによる栄養不足により、亜鉛が不足すると考えられます。

また、食物繊維や青菜に含まれるシュウ酸は亜鉛の吸収を阻害するため、肉類や魚介類を食べないベジタリアンなどは、亜鉛は不足しやすいミネラルと言われています。

加工食品やレトルト食品を常食

加工食品やレトルト食品には、亜鉛の吸収を阻害する食品添加物(ポリリン酸など)が含まれます。

加工食品やレトルト食品を多く利用すると、亜鉛不足を招く可能性があります。

お酒をよく飲む

アルコールの代謝に関わる酵素は、亜鉛を材料としています。

お酒を飲むことで体内の亜鉛が使用されるだけでなく、アルコールは尿中への亜鉛の排泄を促します。

その結果、亜鉛不足を招く可能性があります。

アスリート・スポーツ選手

スポーツで引き起こされる貧血をスポーツ貧血と呼びますが、その中の一つに亜鉛欠乏性貧血があります。

症状は風邪を引きやすい、疲れやすい、集中力が下がるなどで、パフォーマンスの低下を招く可能性があります。

その理由は、アスリート・スポーツ選手は激しい運動で汗をかくことにあります。

亜鉛は汗や尿から排泄されるため、不足しやすい栄養素です。

コーヒー・オレンジ等

コーヒー、オレンジジュース、カルシウム、未精製の小麦や種子等の穀類・豆類に多く含まれる「フィチン酸」は、腸からの亜鉛の吸収を妨げます。

これらの過剰摂取により、きちんと亜鉛を摂っていても十分に吸収されず亜鉛不足になる可能性があります。

病気

肝臓病(慢性肝炎、肝硬変等)炎症性の腸の病気や腸管を手術で切除した場合等は、腸からの吸収がうまくいかず亜鉛不足になりやすくなります。

また、肝臓病(慢性肝炎、肝硬変等)、糖尿病、腎臓病、透析を受けている人は、尿や透析液から亜鉛の排泄が増加し、亜鉛不足が起きやすくなります。

関節リウマチ、パーキンソン病、痛風、糖尿病、不眠症、うつ病、てんかん等の治療に使われる薬の中に、亜鉛の排泄を増すものがあります。

そうした薬の長期間服用により亜鉛不足になる可能性があります。

高齢者

高齢になり食が細くなることで、亜鉛摂取量が減ります。
また、高齢者は食べ物を消化吸収する力が弱くなるため、亜鉛の吸収不全が起きやすくなります。

亜鉛不足のチェック

以下の項目の内、3つ以上当てはまった方は、亜鉛不足の可能性があります。
いずれも亜鉛不足によって起こる症状です。

  • 風邪をひきやすい
  • 洗髪時、髪が抜けやすい
  • 食欲不振になりやすい
  • 肌が乾燥しやすい
  • 傷の治りが悪い、跡が残りやすい
  • 爪に白い斑点がある
  • 味覚や嗅覚が鈍い
  • 性欲が落ちた
  • ネックレスなどで皮膚炎が起こる
  • 傷や虫刺されが膿みやすい

亜鉛不足の検査

亜鉛不足は、血液検査で調べることができます。
検査結果の目安には以下のものがあります。

●血清亜鉛値
●血清アルカリホスファターゼ値(ALP)

血清亜鉛値

日本臨床栄養学会では、血清亜鉛値の適正とされる基準値(正常範囲の目安)を80~130μg/dLとしています。

血清亜鉛値は、一般的に午前中は高く、午後は低い傾向がある(日内変動)ので、検査に際して、午前中に朝食を摂らずに測定することが望ましいです。

血清アルカリホスファターゼ値(ALP)

アルカリホスファターゼ(ALP)が亜鉛を必要とする酵素であるため、亜鉛不足ではこの値が低くなります。
※ALPの正常範囲の目安は年齢によって異なります

亜鉛不足の薬

「血清亜鉛値」(血液中の亜鉛濃度)が低下し、体内の亜鉛が不足した状態を低亜鉛血症と呼びます。

血清亜鉛値が60μg/dL未満の場合は、亜鉛欠乏症と診断されます。

低亜鉛血症には治療薬が処方されます。

亜鉛を多く含む食べ物

亜鉛は全ての細胞に含まれるので、肉・魚介・種実・穀類など多くの食品に含まれています。

特に多いものとしては牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生などです。

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但し、亜鉛サプリメントを過剰摂取すると、副作用の可能性がありますので、適量を守って飲みましょう。
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