亜鉛は体で合成できないので食事から摂取する必要があります。
亜鉛にはどのような効果があるのでしょうか?
亜鉛の副作用は?摂り過ぎによる害は?
亜鉛の1日推奨摂取量は?日本人の摂取量の平均は?摂取量の上限は?
亜鉛を多く含む食べ物は?
亜鉛に関する疑問をスッキリ解決!

sponsorlink

亜鉛とは?

生牡蠣レモン

亜鉛は体内に約2000mg存在し、主に骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などにある成分です。

タンパク質の合成に関わる酵素の材料として使われます。

亜鉛は体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。

亜鉛は不足するとさまざまな症状を起こすことがあります。
※亜鉛が不足すると起こる症状については別記事参照

亜鉛の効果

亜鉛には以下の効果が期待できます。

●味覚を正常に保つ
●抗酸化作用
●免疫力の向上
●子供の身長の成長
●髪や肌の健康維持に
●生殖機能の改善
●うつ状態の緩和

味覚を正常に保つ

舌にある「味蕾(みらい)」という受容器官で私たちは味を感じとります。
味細胞は材料となる亜鉛を常に必要としています。
亜鉛を十分に補うことで、味蕾の働きを保つことができます。

抗酸化作用

亜鉛は体内のビタミンAの代謝を促します。
アンチエイジング・生活習慣病予防にも効果が期待できます。

免疫力の向上

亜鉛が十分にあると風邪や感染症にかかりにくくなります。
また、亜鉛は粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があり、のどの痛みや鼻水・鼻づまりなどの症状を緩和してくれます。

子供の身長の成長

タンパク質と合わせて亜鉛を摂取することで、全身の新陳代謝がより活性化されます。

特に成長期の子供には過不足なく亜鉛を摂取することが必要です。
※亜鉛の身長に関する効果は別記事参照

髪や肌の健康維持に

皮膚や髪もタンパク質からできています。亜鉛を摂取することで、タンパク質の代謝を促し、皮膚や髪のトラブルを改善します。

亜鉛を積極的に摂ることで美肌・美髪効果につながります。
※亜鉛の抜け毛・薄毛の予防効果は⇒抜け毛の予防と対策[男性・女性別]効果的な食べ物とNGな食べ物

生殖機能の改善

男性の前立腺・精子に亜鉛は多く存在します。精子の形成には必ず必要とされ、生殖機能の改善に役立ちます。

うつ状態の緩和

つ状態は脳の機能が低下し、神経細胞の刺激伝達がスムーズにいかないためと考えられています。

この神経伝達物質を作るのに必要なのが亜鉛です。
亜鉛が体内に十分にあることで、精神安定や脳の機能を高め、うつ状態の緩和に効果があると考えられています。

亜鉛の1日当たりの摂取量

亜鉛の1日推奨量(2015年版)は、成人男性は10㎎、女性は8㎎(妊婦は+2~3㎎)となっています。
※厚生労働省の設定

亜鉛の摂取量の上限

亜鉛の1日あたり摂取量の上限は、成人男性が40~45㎎、成人女性が35㎎です。
※厚生労働省の設定

日本人の亜鉛摂取量の平均

日本人の一般的な献立による1日亜鉛摂取量は、計算上9mg程度であると算出されています。

総合判断すると、一般成人で摂取量が少ない傾向にある他に,特に子どもと老人,若い女性で亜鉛が不足している状況にあると考えられます。
※若い女性の摂取量はわずか6.5mg 程度

亜鉛を多く含む食べ物

亜鉛はタンパク質を含む肉、魚介、大豆製品に多く含まれています。

亜鉛を多く含む食べ物ランキング

亜鉛を多く含む食べ物を順番に並べました。
※食材100gあたりの亜鉛含有量(mg)
1位:牡蠣(燻製油漬缶詰)/25.4
2位:牡蠣(水煮)/18.3
3位:小麦胚芽/15.9
4位:牡蠣(生)/14.5
5位:牡蠣(フライ)/11.9
6位:かつお類(塩辛)/11.8
7位:パプリカ(粉)/10.3
8位:ぼら(からすみ)/9.3
9位:牛(ビーフジャーキー)/8.8
10位:豚(スモークレバー)/8.7
11位:さば節/8.4
12位:かたくちいわし(田作り)/7.9
13位:パン酵母(圧搾)/7.8
14位:かぼちゃ(いり、味付け)/7.7
15位:牛(ひき肉/焼き)/7.6
16位:牛(もも、皮下脂肪なし/ゆで)/7.5
17位:ナチュラルチーズ(パルメザン)/7.3
18位:かたくちいわし(煮干し)/7.2
19位:鯉(内臓、生)/7.0
20位:ビュアココア/7.0
※参照:文部科学省~成分データベース

亜鉛含有量は牡蠣が圧倒的に多いですね。
但し、牡蠣を毎日摂り続けるのが現実的ではないので、他の食品から補うか牡蠣サプリか亜鉛サプリを利用して、亜鉛の不足を補うする必要があります。

面白いのが最後のビュアココア。
以下の商品の場合、1杯あたり(4g)で亜鉛が0.28㎎摂取できる計算になります。
ランキング20位ながら、実際に摂取しようとすると亜鉛の量は僅かですが、亜鉛の多い飲物を選ぶなら、ビュアココアになります。

亜鉛の吸収率

亜鉛の腸管吸収率は約30%前後とされています。

ビタミンCなどは亜鉛の吸収を高める働きがあります。
亜鉛を摂取する時は、ビタミンCを含むレモンやかぼす、柚子などのかんきつ類と一緒に摂るのがオススメです。

亜鉛の副作用

亜鉛自体の毒性は極めて低いため、食事からの適正量摂取であれば副作用が起きることはありません。

サプリメントなどで1日2g以上摂取した場合、急性中毒を発生して悪心、嘔吐、食欲不振、下痢などが起こる可能性があります。
▶亜鉛の摂り過ぎによる副作用については⇒亜鉛の取りすぎによる副作用(症状)~抜け毛が増える?ハゲる?