亜鉛は体に大切な必須ミネラルです。
しかし、取りすぎると嘔吐・下痢・頭痛・ニキビなどの副作用が起こる可能性があります。
亜鉛は本来、髪の生成に必要な成分で、抜け毛や薄毛の予防に役立ちますが、亜鉛の過剰摂取で抜け毛が増える、ハゲるという情報も…。
亜鉛の取りすぎによる副作用(症状)の疑問をスッキリ解決!
亜鉛の1日摂取量
亜鉛は成人の体内に約2g含まれます。
成人ではそのほとんどは筋肉と骨中に含まれますが、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在し、さまざまな酵素の構成要素となっています。
亜鉛は必須ミネラル16種の一つです。
タンパク質の合成に関わる酵素の材料として使われます。
髪の毛の生成にも関わっています。
食べ物から摂ったタンパク質はアミノ酸に分解され、髪の毛を構成するケラチンに再合成されますが、この時必要なのも「亜鉛」です。
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亜鉛は体内で合成されないので食べ物等から摂取する必要があります。
亜鉛の1日摂取推奨量
亜鉛の1日推奨量(2015年版)は以下です。
成人男性:10㎎
成人女性:8㎎(妊婦は+2~3㎎)
亜鉛の1日摂取量の上限
亜鉛の1日あたり摂取量の上限は以下です。
成人男性:40~45㎎、
成人女性:35㎎
※いずれも厚生労働省の設定
では、亜鉛の取りすぎによる副作用にはどのようなものがあるのでしょうか?
亜鉛の取りすぎによる副作用
亜鉛自体の毒性は極めて低いため、食事からの適正量摂取であれば副作用が起きることはありません。
しかし、亜鉛を取りすぎると、副作用が起こる可能性があります。
但し、食べ物に含まれる亜鉛の取りすぎは可能性として低いので、取りすぎが問題になるのは主に亜鉛サプリメントの取りすぎによる副作用ということになるでしょう。
亜鉛の取りすぎによる副作用(症状)には、急性および慢性があります。
亜鉛の取りすぎによる急性の副作用
亜鉛の取りすぎによる急性の副作用(症状)には以下のものがあります。
・悪心(おしん)
※ 「悪心」は嘔吐に先行するむかつき、吐気、嘔吐は胃内容物の排出現象です。
・嘔吐
・食欲不振
・腹部痙攣
・下痢
・頭痛
亜鉛の取りすぎによる慢性の副作用
1日に150~450 mgの亜鉛を摂取すると、以下の副作用が起こったという報告があります。
・銅含有量の低下
・鉄機能の変化
・免疫機能の低下
・高比重リポ蛋白の濃度低下
また、慢性的な亜鉛の大量摂取が、尿路系の生理機能の一側面に悪影響を与える可能性が提起されるということです。
亜鉛を取りすぎると抜け毛が増える?ハゲる?
亜鉛は髪の毛の合成に必要な栄養素です。
抜け毛・薄毛予防に役立ちます。
しかし、亜鉛を取りすぎると抜け毛が増える、あるいはハゲると言う情報があります。
本当でしょうか?
解決の糸口は前述の亜鉛の取りすぎによる慢性の副作用として挙げた「銅含有量の低下」「鉄機能の変化」にありました。
銅が欠乏症になることで腸からの鉄の吸収もうまく行かなくなり、貧血症状が起こります。
結果、髪に栄養が回らない⇒抜け毛が増える⇒ハゲる、可能性があります。
また、亜鉛サプリメントの中には「セレン」というミネラルが高濃度に含まれていることがあります。
「セレン」を取りすぎによる抜け毛をはじめとする副作用が報告されています。
亜鉛サプリメントを選ぶ時は、「セレン」が含まれている場合、濃度をチェックし、適量を守って飲みましょう。
▶「セレン」を含まない亜鉛サプリメント⇒亜鉛サプリメント「亜鉛Zinc」
亜鉛の取りすぎでニキビが悪化?
亜鉛はニキビやニキビ跡の改善にとても効果があり、不足しないように意識して摂りたい栄養素です。
しかし、サプリメントなどで過剰摂取してしまうと逆にニキビができやすくなる可能性があります。
その理由は、亜鉛に男性ホルモンの分泌を促す作用があるからです。
亜鉛サプリメントを取りすぎて、男性ホルモンが増えると、皮脂の分泌量が増えてしまい、ニキビができやすくなります。
また、男性ホルモンには角質層を分厚くする作用もあるため、毛穴周りの皮膚が厚く硬くなり、より毛穴を詰まらせてしまいます。
亜鉛サプリメントは適量を守って飲みましょう。
※亜鉛サプリメントについては別記事参照