セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料です。
勿論、単なる原料ではなく、セロトニンとしての働きもあります。
また、セロトニンの不足は「うつ病」等の病気の原因になります。
セロトニンとは?セロトニンを増やす方法についてご紹介します。
セロトニンとは?
セロトニン(serotonin)は、動植物に広く分布する生理活性アミン、インドールアミンの一種。
名称はserum(血清)とtone(トーン)に由来し、血管の緊張を調節する物質として発見・名付けられた。
ヒトでは主に生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。
出典:Wikipedia~セロトニン
Wikipediaの説明は難しいですね。
セロトニンを分かりやすく言うと、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料です。
日中、しっかりとセロトニンを分泌しておくと、夜にメラトニンの分泌が増え、しっかり眠れるというわけです。
セロトニンは「幸せホルモン」と言われることもあります。
セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸から合成されます。
網膜に2500ルクス以上の太陽光を浴びることで、セロトニン神経を活性化させ、大脳にセロトニンを分泌させます。
※これらについては後述します。
脳内セロトニンの分泌が脳に与える影響に以下のものがありまう。
セロトニンの働き
- 最適な覚醒状態をもたらす。
- ネガティブな気分を解消し、心のバランス・平常心を整える。
- 自律神経のバランスを整える。
- 姿勢筋や抗重力筋の緊張を上げて、姿勢や顔の表情をピシッとさせる。
- 痛みを脳に伝える経路(痛覚伝導路)をコントロースする。
セロトニン不足がうつの原因?
精神科や診療内科では、うつ病や強迫性障害と診断されると、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択されます。
この薬の働きは脳内のセロトニン濃度を高く維持すること。
これは、うつ病や強迫性障害の原因は、脳内のセロトニン濃度が何らかの原因で低くなること、即ちセロトニン欠乏脳になるからだと言えます。
セロトニン欠乏脳になる直接の原因はストレスと脳疲労ですが、脳内のセロトニンの合成・分泌が、パソコン・スマホ三昧の昼夜逆転生活によって減少してしまうことが背景になります。
セロトニン欠乏脳の症状
セロトニン欠乏脳になると、以下の症状が表れます。
- 朝の目覚めが悪く、一日中ボーっとしている。
- 不安やパニック発作、強迫症状が表れ、ちょっとしたことでキレやすくなる。
- 低体温症(35度以下)・低血圧症(最高血圧が100以下)
- トロンとした顔つきで姿勢も弱々しくなる。
- 痛みの原因が認められないのに、脳が痛いと感じてしまう。
従って、セロトニン欠乏脳になると、朝の目覚めが悪く、ネガティブな気分が絶えずあって、体調が思わしくなく、外見も弱々しく、不定愁訴がある、といった状態になり、うつ病や強迫性障害の患者が示す症状と一致します。
セロトニン不足を解消する薬
上記のような症状を改善させるには、脳内のセロトニン濃度を高く維持してやれば良いわけで、セロトニン再取り込み阻害薬は、まさにその目的で処方されます。
ただ、内服を始めれば、症状が軽快しますが、その後薬をやめると、症状がぶり返すことです。
これは、薬が対症療法として開発されたもので、脳内セロトニンを積極的医増やす働きはない、ということです。
セロトニン増やす方法
セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸から合成されます。
まず、トリプトファンを多く含む食べ物を食事で摂る必要があります。
次にトリプトファンから効率的にセロトニンに合成することが大事です。
トリプトファンが多い食べ物
トリプトファンは大豆製品(豆腐、納豆、味噌、醤油)、乳製品(牛乳、バター、チーズ、ヨーグルト)、卵、ナッツ、バナナなどの食べ物に豊富に含まれ、腸で吸収されると、血液を介して全身に栄養素として供給されます。
セロトニンが合成される仕組み
脳内においてセロトニンを合成できる細胞(=セロトニン神経)は脳幹に数万個あり、脳全体にセロトニンを分泌される。
その為には2500ルクス以上の可視光線(太陽光)が網膜に当たることが必要です。
通常の電灯の光は照度が暗すぎて太陽光の代用にはなりません。
今日、うつ病の高照度光療法には2500~3000ルクスの電灯が使われています。
太陽光でセロトニンを増やす方法
太陽が出ていれば、室内でカーテンを開けて、窓際にいても十分な照度があります。
室外では、太陽が出ている時に外を歩けばセロトニン活性になります。
帽子を被ったり、日傘をさしたり、長袖を着たりUVカットの化粧品を使用ししても問題ありません。
網膜に2500ルクス以上の光が当たることが必要なだけで、皮膚に当たる光は、脳内のセロトニン分泌に全く関係ありません。
※この点は皮膚の下で合成されるビタミンDとは全く異なります。
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従って、サングラスをつけるのはNGです。
毎日、1日20~30分、日光を浴びる時間は取れば、セロトニンン活性の効果が得られる。
呼吸運動でセロトニンの分泌を増やす方法
※通常の呼吸とは区別する為、「呼吸運動」と呼びます。
丹田呼吸法を5分以上30分くらい行うと、脳内のセロトニンの分泌が増えることが分かっています。
丹田呼吸法には緊張・不安などネガティブな気分が解消し、クールな覚醒状態が現われる効果があります。
尚、丹田呼吸法ではなく、「集中」して「しっかり」と呼吸運動を5~10分お請えば、セロトニン活性は確実に発生します。
呼吸運動には以下のものがあります。
・読経
・歌唱
・ヨガ
・中国の気功法(太極拳)
・吹奏楽演奏としての尺八とサックスの演奏
運動でセロトニンの分泌を増やす方法
ウォーキングやジョギングも脳内セロトニンを増やすのに一躍買います。
朝日を浴びながらやれば二重のセロトニン活性効果になります。
※この場合も呼吸運動と同じく、「集中」ち「しっかり」行う事がポイントです。のんびり散歩はセロトニン分泌にはなりません。
※当記事は有田秀穂医師の著書「自律神経をリセットする太陽の浴び方」を主に参照しました。
セロトニンサプリメント
セロトニンあるいはセロトニンの原料となるトリプトファン不足を補うサプリメントもあります。
L-トリプトファンは、ぐっすり眠りたい方の為の睡眠サプリに含まれている事が多いです。
※セロトニンサプリ、睡眠サプリに関しては別記事参照