抗菌マスクとは？新型コロナウイルスに効果あり？

新型コロナウィルスの感染拡大が収まりません。
ついに、政府は一部の都道府県に緊急事態宣言を発令。
マスクは感染対策の必須グッズとなりつつありますが、「抗菌マスク」と言う名のマスクを目にすることが多くなりました。
「抗菌マスク」とは何でしょうか？
「抗菌マスク」は新型コロナウィルスに効果はあるのでしょうか？
調べてみました。

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抗菌とは？

「抗菌マスク」の「抗菌」とは何でしょうか？
そもそも、「抗菌」の「菌」とは何を指すのでしょうか？

「菌」とは？

「菌」とは、「細菌」のことです。
カビも菌の一種ですが、「○○菌」と言う名前は「菌（細菌）」の事です。

ばい菌・雑菌・虫歯菌・納豆菌・ビフィズス菌・黄色ブドウ球菌・結核菌・大腸菌･･･。

納豆菌やビフィズス菌など体に善い菌もあれば、黄色ブドウ球菌や結核菌・大腸菌など害を及ぼす菌もあります。

抗菌・滅菌・殺菌・消毒・除菌の違い

抗菌に似た言葉に滅菌・殺菌・消毒・除菌があります。
何が違うのでしょうか？

抗菌

抗菌とは、菌の繁殖を抑えること。

滅菌

滅菌とは、有害・無害を問わず対象物に存在しているすべての微生物及びウイルスなどを殺滅(さつめつ)または除去すること。

殺菌

殺菌とは、菌をある程度、殺すということ。（程度は決まっていない）

消毒

消毒とは、病原性微生物を、害の無い程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせたりして、毒性を無力化させること。

除菌

除菌とは菌の数を減らすこと。

尚、「殺菌」「滅菌」「消毒」は、医薬品・医薬部外品だけに使える言葉です。

次に気になるのが、「細菌」と「ウイルス」の違いです。

「細菌」と「ウイルス」の違い

細菌とは？

「細菌」とは一つの細胞から成り立つ極小の生き物、つまり単細胞生物の一種。
「細菌」は栄養を取り込むことで細胞分裂を行い、自ら増殖。
「細菌」の大きさは約1～10μm。

ウイルスとは？

「ウイルス」は「細菌」よりもさらに小さく、タンパク質の殻の中に核酸が入った構造体。
細胞を持たない。
他社の細胞に入り込み、DNA、もしくはRNAの増殖機構を利用することで増殖。
「ウイルス」の大きさは、約数十～数百nm程度。

以上のように「細菌」と「ウイルス」は大きさや、増殖方法に違いあり、対策も異なります。

抗菌対策

細菌感染による病気の場合には抗菌薬、つまり抗生物質によって治療が可能ですが、ウイルスには効果がない。

抗ウイルス対策

抗ウイルスとは、ウイルスを不活化させること。
但し、ウイルスにはエンベローブを持つエンベロープウイルスとエンベローブを持たないノンエンベロープウイルスがあり、抗ウイルス対策は異なります。

【エンベロープウイルス】
インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、風疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスなど

【ノンエンベロープウイルス】
ノロウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、ネコカリシウイルスなど

エンベロープウイルス対策

エンベロープはアルコールに弱い性質を持つことから、エンベロープウイルスに対してはアルコールを含む消毒剤による不活化が有効

ノンエンベロープウイルス対策

脂質膜を持たないノンエンベロープウイルスはアルコールに対する耐性が高いため、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする製品による不活化が有効。

新型コロナウイルスに効くのは？

新型コロナウイルスについてはまだよくわかっていません。

しかし、コロナウイルスの表面はエンベロープと呼ばれる脂質で覆われており、消毒用アルコールによる消毒が可能で、石鹸などの界面活性剤にも弱いことが分かっています。

従って、新型コロナウイルス対策もコロナウイルスに準じた対策となります。

●手指の消毒：消毒用アルコールや石鹸などによる手洗い
●物の消毒：0.1％の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤

※参照：新型コロナウイルスの消毒方法と効果【厚生労働省・専門家の発表まとめ】

抗菌マスクは新型コロナウイルスに効果はあるのか？

「抗菌」と「抗ウイルス」とでは対象が全く異なり、抗菌マスクには「抗ウイルス」効果はない、と言えます。

従って、抗菌マスクに新型コロナウイルスに対する効果は期待できない、と結論づけできます。

但し、これは一般的な話。
抗菌マスクには色々種類があり、抗ウイルス効果があるものもあります。