新型コロナウイルスの感染には飛沫感染と接触感染です。
接触感染を予防するには、手の消毒と手で触れるものの消毒が必要です。
新型コロナウイルスの消毒方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、どの程度の効果が見込めるのでしょうか?
専門家及び公的機関(厚生労働省等)が発表している新型コロナウイルスの消毒方法と効果をまとめてみました。
手の消毒方法
手の消毒方法に関する公的機関及び専門家の意見です。
厚生労働省
厚生労働省のHPに掲載されている新型コロナウイルスの消毒方法です。
(4)こまめに手を洗いましょう
こまめに石鹸で手を洗いましょう。
アルコール消毒をしましょう。
洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。
※出典元:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省
※新型コロナウイルスの生存期間については下記の記事をご参照ください。
峰宗太郎医師[NIHで研究中の病理医研究者]
つり革、ドアノブ、スイッチ、小銭、紙幣、スマートフォンなど様々なものに触れることにより、誰の手にも(コロナ)ウイルスが付着している可能性があるが、コロナウイルスの表面はエンベロープと呼ばれる脂質で覆われており、消毒用アルコールによる消毒が可能で、石鹸などの界面活性剤にも弱い。
※出典元:2019新型コロナウイルス|ウィキペディア(Wikipedia)
物(モノ)の消毒方法
ドアのノブ等モノの消毒方法に関する公的機関及び専門家の意見です。
厚生労働省
厚生労働省のHPに掲載されている新型コロナウイルスの消毒方法です。
(6)手で触れる共有部分を消毒しましょう
物に付着したウイルスはしばらく生存します。
ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きしましょう。
※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25ml)になるように調整してください。
※出典元:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省
アメリカ国立衛生研究所(NIH)
研究によると、62~71%のアルコールや過酸化水素0.5%が含まれる漂白剤、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤で表面を消毒すれば、コロナウイルスは1分以内に不活性化する。
他のコロナウイルスは高温多湿の環境で早く死滅するが、SARS系のコロナウイルスは56度以上の環境で、15分ごとに1万個のウイルスが死ぬ程度だという。
※出典元:【解説】 新型コロナウイルス、表面でどれくらい生きられる?|NEWS JAPAN
その他の消毒に関する記述
製薬会社等のHPに記載されているウイルス消毒に関する記述です。
健栄製薬
また、ウイルスに対しては80℃・10分間などの熱(熱水や蒸気)も有効である。
※出典元:ウイルスの消毒法~各種微生物に対する消毒薬の選び方|健栄製薬
サラヤ株式会社
手など皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。
※出典元:新型コロナウイルス|サラヤ株式会社
新型コロナウイルスの消毒方法と効果【まとめ】
新型コロナウイルスの消毒方法と効果のまとめです。
手の消毒
汚染されたものを触った手で顔等に触れる感染の恐れがあります。
消毒方法
手の消毒には消毒用アルコールや石鹸などによる手洗いが効果的。
効果
コロナウイルスの表面はエンベロープと呼ばれる脂質で覆われており、消毒用アルコールによる消毒が可能で、石鹸などの界面活性剤にも弱い。
物(モノ)の消毒
ウイルスが付着した物を触った手で他の物を触ると、二次感染の可能性が発生します。
特に家族に感染者が入る場合は、物の消毒が大切です。
消毒方法
●薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭き
※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%になるように調整
●62~71%のアルコールや過酸化水素0.5%が含まれる漂白剤、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤で表面を消毒
効果
62~71%のアルコールや過酸化水素0.5%が含まれる漂白剤、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤で表面を消毒すれば、コロナウイルスは1分以内に不活性化する。
家庭用漂白剤の濃度
物の消毒方法として家庭用漂白剤を薄めて消毒する方法が推奨されています。
いずれも次亜塩素酸ナトリウムが主成分であることが条件ですが、その濃度については、厚生労働省とアメリカ国立衛生研究所(NIH)とでは見解が異なります。
●アメリカ国立衛生研究所(NIH):0.1%
但し、厚生労働省の他のページ「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」には以下の記述があります。
ウイルスは物についてもしばらく生存しているため、ドアの取っ手やノブ、ベッド柵ウイルスがついている可能性はあります。
0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。
トイレや洗面所の清掃をこまめに行いましょう。
清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。
前半では「0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)」、後半では「0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤」とあり、理解に苦しみます。
しかし、福岡市のHPに分かりやすい説明がありました。
※以下は「塩素系漂白剤」(塩素濃度約5%)を希釈する場合の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方です。
これによると濃度0.1%と0.05%の使い分けが一目瞭然です。
●濃度0.05%:ドアノブ、手すり等の消毒
※出典元:消毒用アルコールがない場合の消毒・除菌について|福岡市
※消毒液の作り方等については⇒次亜塩素酸ナトリウムの効果・作り方・使い方【コロナウイルス消毒】徹底解説