日常生活でお馴染みの石鹸。
石鹸には色々な種類がありますが、石鹸を手作りできるのはご存知ですか?
そもそも石鹸とは何でしょうか?
固形石鹸と液体石鹸(ボディソープ)の違いは?
ここでは、石鹸の基本的な作り方である苛性ソーダを使って石鹸を作る方法をご紹介します。

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石鹸とは何か?

無添加石鹸そもそも、石鹸とは何でしょうか?

石鹸は、5000年もの昔から使われてきた界面活性剤です。

界面活性剤は、水を油(皮脂)を混ぜる働きをして、体の汚れを落とすものです。

家庭用品品質表示法では、界面活性剤を「石鹸」と「石鹸でないもの」に分けています。

「石鹸でないもの」とは、「合成界面活性剤」のことです。
では、「石鹸」が「天然界面活性剤」かというと、それは違います。

石鹸は油脂とアルカリを原料にして人間が作り出した物なので、「天然」というより、「人工」界面活性剤です。

但し、「合成界面活性剤」より作りかはシンプルです。
従って、石鹸は手作りすることが出来ます。

シャンプーも界面活性剤が入っていますが、近年、合成界面活性剤を使わないものが増えています。

石鹸シャンプーはまさに、石鹸のシャンプーです。
[関連記事]
▶固形石鹸でシャンプーするのは危険?効果・やり方・おすすめの石鹸は?
▶石鹸シャンプーとは?メリット(効果)・デメリット・使い方は?

「石鹸」と「合成界面活性剤」の大きな違いは、「石鹸」は水で薄まったり、酸と出会うと、界面活性をすぐに失うことです。

従って、石鹸を体で洗い、お湯で流せば、界面活性は無くなるので、皮脂を取り続けることはありません。

体に優しい界面活性剤と言えます。

固定石鹸と液体石鹸の違い

一昔前なら、石鹸と言えば固定石鹸でした。
それが、いつからか液体石鹸が販売されるようになり、ボディソープと呼ばれ、その内、泡状のボディソープも販売されています。

固定石鹸と液体石鹸の違いは何でしょうか?

●原料の違い
●使いやすさの違い
●洗浄力の違い

原料の違い

◇固定石鹸:脂肪酸と水酸化ナトリウムを反応させた「脂肪酸ナトリウム」で作られます。

◇液体石鹸:脂肪酸と水酸化カリウムを反応させた「脂肪酸カリウム」で作られます。

固定石鹸はソーダ石鹸(ナトリウム石鹸)、液体石鹸はカリ石鹸とよばれています。

使いやすさの違い

石鹸はしっかり泡立てて使った方が、汚れを落としてくれます。
その点、液体石鹸(特に泡タイプ)は、固形石鹸より、水に溶けやすく、泡立てやすいです。

洗浄力の違い

洗浄力の違いで見ると、固形石鹸に軍配が上がります。
それは石鹸に含まれる純石鹸分である脂肪酸カリウムの割合が違う為です。

純石鹸成分を増やすと固まりやすく、液体の状態を保てなくなります。その為、固形石鹸の方が、純石鹸成分が多いことになり、洗浄力も強いということです。

石鹸の基本的な作り方[苛性ソーダ編]:原料

手作り石けんの主成分は、油脂、水分、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)です。

●オイル(油脂)
●苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)
●水(精製水)

油脂と水を水酸化ナトリウム(NaOH)で中和させることで、石けんができます。

オイル(油脂)

オイルの種類や配合によって、いろいろな石けんが出来上がります。
オイルの原料には植物性と動物性があります。

有名な牛乳石鹸は牛乳が原料です。
オリーブオイルと使うと、植物性のオリーブ石鹸ができます。

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)

劇物指定にされている強アルカリ性の物質です。
正しい知識をもって、取扱いには十分注意が必要です。
※薬局にて販売。購入時には印鑑や身分証明書が必要。

水(精製水)

水道水に含まれる塩素やミネラルウォーターに含まれるミネラル分などを取り除いてある水です。

石けん作りに使う水は不純物を含まない精製水がおすすめです。

石鹸の基本的な作り方[苛性ソーダ編]

石鹸の基本的な作り方の概略です。

1.水を張ったボウルにビーカーを入れ、ビーカーに精製水と苛性ソーダを混ぜ合わせ苛性ソーダ水を作る。
オイルは別のボウルに入れる。

2.オイルと苛性ソーダ水の温度を測る。

3.温度が揃ったら、苛性ソーダ水をオイルのボウルに飛び散らないように少しずつ注ぐ。

4.20分間かき混ぜる。

5.マヨネーズぐらいの固さになったら型に入れる。

6.保温箱に入れて、1日寝かせる。

7.きれいに固まったら保温箱から取り出し、型をから外し、包丁等で石鹸をカット。

8.約1ヶ月間、風通しの良いところで乾燥させる。

9.出来上がり。

石鹸の基本的な作り方をご紹介しました。
但し、「基本的」というのは元々の石鹸の作り方という意味で、決して「簡単」に作れるという意味ではありません。

工程そのものは簡単ですが、ネックは苛性ソーダです。
簡単に入手できません。

そして、苛性ソーダは劇物指定されているので、理科実験室向きです。扱ったことのない素人が手を出す代物のではありません。

しかし、この石鹸づくりの工程を知ることで石鹸づくりの何たるかを理解できるはずです。

また、この方法で作った石鹸はまさに純石鹸です。
界面活性剤以外の何物でもありません。

ここに保湿成分が入ったり、香り等を入れると、好みの石鹸が近づきます。
▶苛性ソーダを使わない石鹸の作り方は⇒石鹸の簡単!作り方~苛性ソーダを使わないで手作り石鹸を作る方法