メラトニンとは、夜の睡眠を演出する睡眠ホルモンです。
そして、メラトニンの原料がセロトニンです。
メラトニンは夕方になると分泌が始まります。
メラトニンの分泌を増やすとグッスリ眠れます。
メラトニンとは?セロトニンとの関係は?メラトニンを増やす方法[食べ物・光等]について徹底解説します。
メラトニンとは
メラトニンは、動物、植物、微生物に存在するホルモンであり‥動物では、メラトニンの血中濃度は1日の周期で変化しており、それぞれの生物学的な機能における概日リズムによる同調を行っている。
メラトニンによる多くの生物学的な効果は、メラトニン受容体(英語版)の活性を通して生成され、他にも広範囲にわたる強力な抗酸化物質としての役割によって特に核DNAやミトコンドリアDNAを保護する。
出典:Wikipedia~メラトニン
Wikipediaの説明は専門的で分かりにくい。
メラトニンとは、分かりやすく言うと、夜の睡眠を演出する睡眠ホルモンです。いわば、自前の睡眠薬ですね。
メラトニンはセロトニンを原料に合成されます。
[関連記事]セロトニンとは?セロトニンを増やす方法[食べ物・太陽光・運動]
メラトニンの合成
睡眠ホルモンであるメラトニンが作られる場所は、脳の中心部に位置する松果体です。
メラトニンの合成は、太陽光によって完全に制御されています。
太陽が出ている昼間には、メラトニン合成が抑制されていた、夕方、太陽が沈むとメラトニン合成が開始されます。
メラトニン分泌のピークは?
夕方、太陽が沈むと、血液中のメラトニン濃度が徐々に増え続け、夜中0時頃にピークになります。
その後、次第に減少に転じ、明け方、太陽が昇ると、メラトニンは血液中から消失してしまいます。
メラトニンの働き・効果
メラトニンが松果体から分泌されると、次の変化が表れます。
- 脳の深部体温を低下させて、覚醒から睡眠状態に移行させる。⇒睡眠を導入し、維持する役割を果たす。
- 自律神経のバランスが、交感神経優位の状態から副交感神経優位に切り替わる。⇒血圧も体温も低くなりエネルギー代謝が沈静化され、他方で消化機能が高まって、栄養摂取とエネルギー補給の働きが活発化する。
- 昼間の活発な代謝活動で発生した活性酸をを除去する働き(抗酸化作用)が表れる。⇒活性酸素は老化を促す悪玉物質として知られているが、それを睡眠中に除去する。
※メラトニンはアンチエイジングの物質としても注目されている。
メラトニンの分泌を阻害(⇒不眠)する生活習慣とは?
現代社会では、パソコンやスマホが発生するブルーライトがメラトニンを破壊し、不眠を誘発しています。
夕方から就寝までパソコンやスマホを長時間使用しない生活がベストです。
最近は、蛍光灯に代わって、LED照明が使われるようになってきました。
しかし、LED光の中止波長は456m(ブルーライトの領域)付近にあるので、メラトニン抑制が懸念されます。
そこで工夫が必要です。
室内の照明を煌々と照らす電灯ではなく、暖色系で照度を低くし、できれば笠を付けたスタンド型で直接当たらないようにする対策が望まれます。
メラトニンの合成を増やす方法
メラトニンの合成・分泌を積極的に増やすには、夕方までメラトニンの原料となるセロトニンを十分ストックしておくことです。
結局、日中にセロトニンをしっかり増やすことが必要になります。
※セロトニンを増やす方法は⇒]セロトニンとは?セロトニンを増やす方法[食べ物・太陽光・運動]
メラトニンの美容効果
メラトニンの抗酸化作用は色白肌にも重要な役割を果たします。
太陽光に含まれる紫外線は、皮膚に対して悪玉物質の活性酸素を発生させ、皮膚の損傷と老化を促進させます。
その紫外線の害から守る為、メラニン細胞が表皮に大きく広がって、黒褐色に皮膚を変化させます。
夜になるとメラトニンが松果体から分泌されて、皮膚の活性酸素を除去しメラニンの合成を抑えてくれます。
夏の日差しが強い時は、メラトニンによる修復が追いつかなくなり、日焼けになります。
しかし、秋から冬にかけて日差しが弱く短くなってくると、紫外線によるメラニン合成が減少、同時に夜が長いので、メラトニンによる修復作用がじっくり行われて、徐々に肌が色白になります。
メラトニンが多い食品
メラトニンはセロトニンを原料にして合成されます。
そして、セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸から合成されます。
従って、メラトニンが多い食品とは、トリプトファンが多い食品ということになります。
トリプトファンは大豆製品(豆腐、納豆、味噌、醤油)、乳製品(牛乳、バター、チーズ、ヨーグルト)、卵、ナッツ、バナナなどの食べ物に豊富に含まれ、腸で吸収されると、血液を介して全身に栄養素として供給されます。
※当記事は有田秀穂医師の著書「自律神経をリセットする太陽の浴び方」を主に参照しました。