カロテノイド(カロチノイド)色素は天然由来の着色料です。
カロテノイド色素は、主に食品や化粧品の着色に使用されています。
カロテノイド色素を多く含む食品は?
カロテノイド色素の効果効能は?体への影響(副作用の危険性)は?
カロテノイド色素に関する疑問を徹底解説します。

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カロテノイド色素とは何か?

カロテン

カロテノイド(カロチノイド)色素とは、食品添加物に指定されている色素(=着色料)です。

そもそも、カロテノイドは黄、橙、赤色などを示す天然色素のことですが、カロテノイド色素と「色素」が付くと、カロテノイドの持つ効果というよりは、食品の着色料としての意味を持ちます。
要は、その食品の着色に「カロテノイド色素」を使っているということです。
[関連記事]カロテノイドとは?効果・副作用・多く含む食品・効果的な摂り方

カロテノイド色素を多く含む食品

微生物、動物、植物などからこれまで750種類以上のカロテノイドが同定されており、カロテノイド色素もそれに近い種類があります。

≪主なカロテノイドとカロテノイドを多く含む食品≫
●β-カロテン:にんじん・しそなど。
●α-カロテン:ニンジン・カボチャなど。
●リコピン:ミニトマト・トマトなど。
●ゼアキサンチン:ほうれん草・とうもろこしなど。
●ルティン:ケール・ブロッコリーなど。
●アスタキサンチン:
●β-クリプトキサンチン

カロテノイド色素の使われ方

カロテノイド色素は、主に食品や化粧品の着色に使用されています。

≪カロテノイド色素が使われている食品例≫
●ハム・ベーコン
●チーズ・マーガリン
●エビ・カニなどの水産加工物
●菓子類

ハム・ベーコン

ハム・ベーコンにカロテノイド色素を使う事で鮮やかな色になります。

チーズ・マーガリン

チーズ・マーガリンなどの乳製品の黄色にカロテノイド色素が使われます。

エビ・カニなどの水産加工物

エビ・カニなどの水産加工物(チーカマ等)の赤色にカロテノイド色素が使われます。

菓子類

菓子類の着色にもカロテノイド色素が使われます。

尚、食品の成分表示では、カロテノイド色素(カロチノイド色素)と記載されている場合と、カロテン(カロチン)、カロテン色素(カロチン色素)と記載されている場合があります。

では何故、これらの食品の着色料としてカロテノイド色素が使われているのでしょうか?

勿論、着色する事で、食品が色鮮やかになり、食欲をそそることが大来ですが、着色は合成着色料でもできます。

カロテノイド色素の使用を謳うのは、カロテノイド色素が天然由来の色素なので、合成着色料無添加を標榜でき、ユーザーに与える印象が良いからです。

カロテノイド色素に「着色」だけでなく、カロテノイド自体の効果効能も期待できます。

カロテノイド色素の効果効能

カロテノイドには約700種類ありますが、いれずも抗酸化力が高いのが共通した特徴です。

カロテノイドの主な効果効能には以下のものがあります。

●プロビタミンA
●動脈硬化の予防効果
●老化防止効果
●発ガン抑制効果
●アレルギー抑制効果
●加齢性網膜黄斑変性病予防効果

プロビタミンA

体内で分解されビタミンAが不足していると必要に応じてビタミンAに変わるカロテノイドをプロビタミンAと呼びます。

β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンがプロビタミンAですが、β-カロテンがプロビタミンAの活性が最も高いです。

加齢性網膜黄斑変性病予防効果

人間の網膜とレンズには、ルテインとゼアキサンチンが存在し、光による組織の酸化を抑制しています。

その他の効果

動脈硬化・老化・ガン・アレルギーの主原因は活性酸素だと考えられています。

カロテノイドの抗酸化力には活性酸素の発生を抑え、除去する作用があります。

その結果、動脈硬化・老化・ガン・アレルギーを抑制する効果が期待できます。

カロテノイド色素の副作用の危険性

カロテノイド色素の体への影響(副作用の危険性)はないのでしょうか?

カロテノイド色素は天然由来の色素です。
その点では、合成着色料に比べて体への影響はない(安全)と考えたいところですが、カロテノイド色素の原料が汚染されていた場合、体への悪影響が懸念されます。

実際、アナトー色素はベニノキの種子から作られる赤い色素ですが、原料となるベニノキの栽培地が水銀に汚染されていたことがあり、アナトー色素から水銀が検出されたことがあります。

また、カロテノイド色素の原料がコストを削減する為に遺伝子組み換えの植物だった場合、染色体異常などの危険性が高まります。

妊娠中には胎児に悪影響を及ぼす可能性がありますので、摂取は避けましょう。

カロテノイド色素=天然由来色素=「安全」とは限らないので注意が必要です。

一概には言えませんが、カロテノイド色素と表記されていても、明るすぎる色、鮮やかすぎる色の食材は避けるのも1つの方法です。

カロテノイド色素の退色

カロテノイド色素を含有する着色剤は、特に光の影響により経時的に退色を起こし易いという問題があります。
※退色とは、日光などにさらされて、色がだんだん薄くなること、色があせること。

日光による退色の問題は、カロテノイド色素に限らず、通常、着色した物に起こる現象です。

カロテノイド色素の退色防止する方法には、退色防止剤等があります。