「脈拍」が”早い”、”少ない”とは、「脈拍数」の正常値を基準に考えています。
では、「脈拍数」の正常値はいくらでしょうか?
また、「脈拍」が”早い(多い)”又は”少ない(遅い)”場合の原因や症状は?
さらに、予防対策や治療方法は?
医師などの医療関係者の見解をまとめてみました。
「脈拍数」の正常値は?
「脈拍数」の正常値については、ハッキリした基準はないようで、医師によって数値にバラツキがある。
又、年齢によっても異なる。
※参照:脈拍の測り方のポイント・脈拍の正常値・平均値【専門家に学ぶ】
成人の脈拍数は通常1分間に約60~100回と言う主張が多いが、「約50~100回」「約50~70回」という見解も。
恐らく、「正常値」と「平均値」がごっちゃに語られているからだと推察する。
以下の日本心臓財団の見解が、参考になる。
※出典元:心拍数と心臓病【日本心臓財団】
以上から以下の事が言える。
※日本心臓財団の見解
●脈拍数の平均値:55~75
※ここでいう「平均値」とは健診を受けた人の実際の脈拍数の範囲
尚、通常は脈拍数=心拍数であるが、不整脈の場合は一致しない。
不整脈の種類
医学的には「脈拍」が”正常でない”状態は「不整脈」と呼び、以下の種類があります。
●徐脈
●期外収縮
●心室細動
●心房細動
「脈拍」が”早い(多い)”又は”少ない(遅い)”場合は、「頻脈」又は「徐脈」にあたいするので、ここではこの2種類を取り上げます。
「頻脈」の脈拍数と症状
「頻脈」とは通常よりも脈が速くなる状態。
「頻脈」の脈拍数
脈拍が1分間に50以下を「徐脈」という。
「頻脈」の症状
40以下になると息切れやめまい、立ちくらみなどの症状が出やすい。
※出典元:不整脈とは(症状・原因・治療など)【ドクターズ・ファイル】
「徐脈」の脈拍数と症状
「徐脈」とは通常より脈が遅くなる状態。
「頻脈」の脈拍数
100以上を「頻脈」という。
「頻脈」の症状
120以上は病気を疑われ、動悸や息切れ、胸痛やめまい、失神などの症状が現れる。
「脈拍」が”早い(多い)””少ない(遅い)”とは?
以上から、「脈拍」が”早い(多い)””少ない(遅い)”と言う場合の「脈拍数」は以下になる。
※成人(安静時)の脈拍数
●「脈拍」が”少ない(遅い)”:50以下
ここから、50~100が正常値という見解が生まれたのではないだろうか?
実際は、個人差があり、症状や他の病気との関連もあるので総合的に判断する必要がある。
「脈拍」が”早い(多い・高い)”原因
安静にしていても常に「脈拍数」が高い(=頻脈)場合、原因はいくつかあります。
●緊張、不安、痛み、ストレスなど、心身の緊張状態
●貧血
●呼吸器疾患
●甲状腺機能亢進症(バセドー病など)
●心不全や心臓の手術後
「脈拍」が”少ない(遅い)”=(徐脈)原因
一般的な徐脈の原因には、以下のようなものがあります。
●何らかの疾患または心疾患に対する薬物治療の影響または副作用
●自然な老化現象
●心臓発作(心筋梗塞)による組織変化(瘢痕組織)によるもの
●洞不全症候群
※出典元:徐脈性不整脈について【監修:埼玉医科大学 循環器内科教授 松本万夫先生/Medtronic】
不整脈の治療方法
ここでは、不整脈全体の治療方法を取り上げます。
※出典元(以下同様):不整脈とは(症状・原因・治療など)【ドクターズ・ファイル】
生活習慣の改善
軽度なものだと、禁煙や禁酒、運動、栄養、睡眠など生活習慣の改善などで症状が治まることも多い。
薬物治療
不整脈を抑える抗不整脈薬、ストレスや不安を和らげる安定剤、脳梗塞予防の抗血栓薬などを用いた薬物療法を行うときもある。
不整脈そのものに対する治療方法
疾患や症状などから重篤な不整脈かどうかを考慮してからの決定となるが、不整脈そのものに対する治療方法として以下の方法がある。
●心臓にカテーテルを挿入し原因となっている部位を焼灼して異常な電気回路を絶つカテーテルアブレーション治療
●一定の心拍を保つためのペースメーカーを埋め込む治療
●危険性の高い不整脈では植え込み型除細動器(ICD)を使用することもある。