「むくみ」と一言で言いますが、一時的な「むくみ」と「病的なむくみ(=浮腫)」があります。
「病的なむくみ」の陰には病気が潜んでいる場合がありますので、注意が必要です。
「病的なむくみ」の見分け方、どんな病気の可能性があるのかについて解説します。
「むくみ」の種類
「むくみ」には一時的な「むくみ」と病気の症状の1つとして現れる「病的なむくみ(=浮腫)」の2種類があります。
※一時的な「むくみ」の原因と予防・解消法はこちらの記事をご覧下さい。⇒むくみの原因と予防・むくみの取り方・解消方法を徹底解説!
「病的なむくみ」の見分け方、どんな病気の可能性があるのかについて解説します。
病的なむくみとは?
例えば、夕方に靴がきつくなり、靴下の跡がくっきりとついたとしても、翌朝にはまた元に戻ることを経験されたことはないでしょうか?
この現象は、足に溜まった余分な水分が夜の内に本来の場所に戻ったからです。
一時的なことであり、一晩たてば自然に戻ります。
健康な人でも起きる「むくみ」は病気ではりません。
ところが、体がいくら頑張ってもその対応能力を上回ると、余分な水分は皮下に溜まったままになってしまいます。
これが病的な「むくみ」です。
医学用語では「浮腫」と呼んでいます。
「浮腫」の診断方法
皮膚を上から直接親指で10~30秒間押したり、上まぶたをつまんだりすると凹んだままになり、跡が残れば、医師は「浮腫がある」と診断します。
「浮腫」の程度が重くなるほど、へこみが元に戻るのに時間がかかるようになり、見た目にもはれぼったくなります。
病気が原因のむくみ
「むくみ=病気」ではありませんが、重大な病気の一症状である場合もあります。
以下の症状がある場合、注意が必要です。
- 顔や足がむくんでいる
- 片足だけあるいは左右差の大きいむくみがある
- 朝になってもむくんでいる
- 急にむくんできた
- むくみと同時に体重が増加した
- むくんだ時に下記の肖像を伴う
①息切れ
②尿が少ない
③体が疲れる
病気が疑われる「むくみ」の症状
病気が原因で「むくみ」が生じている場合があります。
チェックポイントを上げます。
但し、以下の症状=病気が原因とは限りません。
医師に相談しましょう。
「むくみ」が起きる場所は?
「むくみ」は、起きる場所によって医学的に全身性浮腫と局所的浮腫に大別されます。
●全身性浮腫:腎臓や心臓、肝臓、内分泌系の病気、栄養障害、薬剤が原因によるもの、特発性浮腫
●局所的浮腫:静脈やリンパ管の病気、炎症、血管神経性浮腫、内分泌系の病気などの病的浮腫、健康な人でもなる体位性浮腫(長時間同じ姿勢でいる為に起きる浮腫)
注意すべきは、足以外の顔、手などでも「むくみ」が起きる全身性で、病気の存在が疑われます。
むくみは左右対称?
●左右対称:心臓や腎臓の病気などで起きる全身性浮腫、または体位性浮腫
●非対称:局所性の静脈やリンパ、炎症性
どんな時に出現するか?
「むくみ」があっても翌朝に元に戻る「むくみ」は、安心なことが多いです。
逆に朝起床時にも、はっきりと残っているような場合は要注意です。
病気が存在することも考えられます。
1日の中での体重変動が参考になり、体重変動が1.5㎏と非常に大きい場合には、特発性浮腫の可能性があります。
また、急に一方の足だけが赤っぽく晴れたら静脈の病気である深部静脈血栓症かもしれません。
全身症状はあるか?
「むくみ」は病気の一症状である為、病気を見つける上で他の自覚症状は非常に重要です。
食欲不振の有無、息切れ、動悸、便秘、寒がり、低体温等の他の症状がある場合は病気の可能性が高くなります。
服薬はないか?
薬剤も「むくみ」の原因となります。
病院で処方された血圧の薬、糖尿病の薬などでも副作用として「むくみ」が出現します。
中断することで、この「むくみ」は改善します。
主治医に相談しましょう。
※本記事は主に「むくみ体質をあきらめない~医師が教え入る予防・解消の知恵」を参照しました。