「パルスイートカロリーゼロ」の糖質は100g中6g。
「糖質ゼロ」ではないが、「糖類ゼロ」であり、糖質制限中の方にとって強い味方だ。
かくいう私も、自家製レモンスカッシュを作る時に活用している。
「パルスイートカロリーゼロ」及び「パルスイート」の安全性については、製造元の味の素が公式サイトで公開している。
しかし、ネットでは「パルスイート 危険」「パルスイートカロリーゼロ 危険」といった言葉で検索する人がおり、それに呼応するように『「パルスイート」や「パルスイートカロリーゼロ」は危険』と主張する記事も見受けられる。
「パルスイート」や「パルスイートカロリーゼロ」は危険なのか?
危険と主張する根拠は?
また、それに対する反証は?

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「パルスイートカロリーゼロ」とは?

「パルスイートカロリーゼロ」は味の素が販売するカロリーゼロ、糖類ゼロの液体タイプの甘味料です。

顆粒タイプの「パルスイート」もあります。

「パルスイートカロリーゼロ」の原材料名

エリスリトール、発酵調味料/甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、スクラロース、アドバンテーム)、増粘剤(キサンタンガム)、酸味料、保存料(安息香酸Na)、乳酸Ca
※出典元(以下同様):パルスイートカロリーゼロ【味の素株式会社】

「パルスイートカロリーゼロ」の栄養成分

小さじ1杯(5.0g)当たり
●エネルギー:0kcal
●たんぱく質:0g/脂質:0g/炭水化物:0.3g/糖質:0.3g/糖類:0g/食物繊維:0.01g/食塩相当量:0.003g/カリウム:3.1mg、リン:0.7mg

100gに換算すると、以下になります。
糖類:0g⇒糖類ゼロ
糖質:6g

糖質は100g中0.5g未満を「糖質ゼロ」と言うので、「パルスイートカロリーゼロ」は「糖質ゼロ」ではありません。

1点、疑問は炭水化物は糖質+食物繊維ですが数字が合わない点です。

炭水化物:0.3g
一方、糖質(0.3g)+食物繊維(0.01g)=0.31g

「パルスイートカロリーゼロ」の甘さ

小さじ1杯5gで砂糖小さじ3杯約9g(約35kcal)と同じ甘さです。

「パルスイートカロリーゼロ」と「砂糖」の小さじ1杯分の重さが異なるのは、「パルスイートカロリーゼロ」は液体、「砂糖」は顆粒の為です。

「パルスイートカロリーゼロ」は危険?

『「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」は危険』と主張する記事がネットで見受けられますが、その殆どは専門家によるものではありません。
従って、その根拠には疑問が生じますが、とりあえず見てきましょう。

危険性の根拠

『「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」は危険』と主張する記事の根拠のほとんどは、“人工甘味料「アスパルテーム」”の危険性について言及したものです。

何故、「アスパルテーム」の危険性が「パルスイート」の危険性とリンクするのか?
それは、「パルスイート」のアメリカ名が「アスパルテーム」だから。

ちょっとややこしくなってきました。
味の素の商品名である「パルスイート」と、人工甘味料としての「パルスイート」。

一体、どちらを取り上げているのか?
これを見分けるには文中に「味の素」という言葉があれば、商品としての「パルスイート」。
文中に「味の素」という言葉が全くなければ人工甘味料としての「パルスイート」と言えそうです。

「パルスイートカロリーゼロ」は商品名以外にはないので、「パルスイートカロリーゼロ+危険」の場合は、「パルスイートカロリーゼロ」の危険性を述べた記事だということです。

人工甘味料「アスパルテーム」の安全性

「パルスイートカロリーゼロ」の危険性について触れる前に、安全性について確認しておきましょう。

味の素の公式サイトでは「パルスイート」シリーズに使わている原材料の安全性を主張しています。

例えば、アスパルテームは世界125カ国以上で使用が認められています。
また、一日摂取許容量が確認されており、「パルスイート」に置き換えると、体重50kgの人が毎日100g以上を摂り続ける量になります。
これは砂糖だと約400g相当で、現実的には毎日摂るのは考えづらい量ですので、「パルスイート」シリーズを日々の料理や飲みもので、砂糖の代わりとしてご使用いただくことは心配ありません。

※出典元:「パルスイート」シリーズに使っている原材料は安全ですか?毎日使っても大丈夫?【味の素】

「パルスイート」シリーズに使われている他の原材料の安全性にも記載があります。
※出典元:商品に関するご質問:パルスイートカロリーゼロ(液体タイプ)【味の素株式会社】

味の素は上記の「商品に関するご質問:パルスイートカロリーゼロ(液体タイプ)」ページで”「フェニルケトン尿症」”についても触れています。

人工甘味料「アスパルテーム」の危険性

商品としての「パルスイート」を危険だとする主張する人が根拠にしているのが、「アスパルテーム」の危険性です。

「アスパルテーム」はアメリカのFDMの認可を得ています。
しかし、本来は有害な「アスパルテーム」を権力者が陰で強引に認めさせたとする主張があります。
即ち、『「アスパルテーム」は危険である』と。

但し、この主張には無理があるのではないでしょうか?

「アスパルテーム」の安全性はアメリカのみならず、カナダ、イギリスをはじめ、世界125ヶ国以上でその安全性と有用性が認められています。
勿論、日本でも1983年に厚生労働省が食品添加物として安全性を評価し、日本で使用が許可されています。

アメリカ一国で済む話ではないのです。

但し、「アスパルテーム」に全く危険性がない訳ではありません。
その証拠が総量規制。
米国FDAが定めるアスパルテームの1日摂取許容量は、体重1㎏あたり50㎎。
(例)体重70㎏⇒アスパルテーム3.5g

「アスパルテーム」が100%安全であるなら、総量規制は必要ありません。
しかしながら、総量規制の問題は身近な食品でもある話です。
総量規制=有害ということにはなりません。

ここで、日本コカ・コーラの記事を紹介したいと思います。
「アスパルテームの摂取により、発がんリスクの増加や神経学的な悪影響が生じる疑念に対しては、否定的なエビデンスが存在します。」として、著名な毒性学者Bernadene Magnuson先生のインタビュー記事を掲載しています。
※出典元:アスパルテームについて、医療と栄養の専門家が知っておくべきこと。【日本コカ・コーラ株式会社】

アスパルテームは安全

上記の記事から一部、抜粋します。

●アスパルテームに関する結論を教えてください。
Magnuson先生:アスパルテームは安全です。
アスパルテームを摂取すると毒性症状、発がんリスクの増加、神経学的問題などの悪影響が出るという疑いは、エビデンスによって否定されています。
アスパルテームは大規模な試験と世界各国の規制機関の再評価を受け、小児、糖尿病患者、妊娠中または授乳中の女性を含むすべての人において、安全であると見なされてきました。
●アスパルテームの安全性を裏付けるすべての研究によって、安全性への懸念がなくならないのはなぜでしょうか?
Magnuson先生:これは難しい質問で、良い答えは見つかりません。
インターネット、電子メール、そしてその他の公共メディアを利用して、アスパルテームやその他の認可された低カロリー甘味料の安全性に対する根拠のない懸念をつくり上げ、広めようとしている人たちがいることは確かです。
何が彼らをそうさせるのかは理解しがたいですが、これらの安全で有用な製品の使用に対し、多くの人が不安を抱いてしまうことは残念です。

「パルスイートカロリーゼロ」は太る?

「パルスイートカロリーゼロ」はカロリーゼロなので、カロリーの摂取過剰=太るという認識からすると、「太る」ということはあり得ません。

次に「糖質制限」の立場から考えてみます。
「糖質」の摂りすぎにより血糖値が上がり、その結果、太るという理屈です。

普段、使っている砂糖を「パルスイートカロリーゼロ」に置き換えた場合を考えます。

小さじ1杯5gで砂糖(上白糖)小さじ3杯約9g(約35kcal)と同じ甘さです。

砂糖(上白糖)小さじ3杯は大さじ1杯に相当しますが、糖質量は9g。
一方、「パルスイートカロリーゼロ」小さじ1杯5gに含まれる糖質量は0.3g。
砂糖と「パルスイートカロリーゼロ」の糖質量の比率は9:0.3=30:1

即ち、普段使っていると砂糖を単純に「パルスイートカロリーゼロ」に置き換えると、糖質量は1/30に減ります。
※他の食事量は変わらないと仮定します。

これでは太りようがありません。

「パルスイートカロリーゼロ」の危険性(まとめ)

「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」の危険性について調べてきました。
いかがだったでしょうか?

私が『「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」の危険性』を主張する方の記事を読んで最初に覚えた違和感は、「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」=「アスパルテーム」と言うとらえ方が根幹にあり、「アスパルテームは危険」=『「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」の危険』ということに繋がっていることです。

しかし、「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」の原材料で一番多いのは「エリスリトール」です。

「エリスリトール」の次に甘味料の記載があり、「アスパルテーム」はその甘味料の2番目です。

「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」にどれくらいの「エリスリトール」や「アスパルテーム」が含まれているかの記載がないのが残念ですが、微量であることは間違いありません。

「アスパルテーム」は相当量摂取しない限り、問題はありませんので、この微量の「アスパルテーム」を持って『「パルスイートカロリーゼロ」「パルスイート」の危険』と断じるのには無理があると考えます。

特に危険性を主張する記事のほとんどは専門家によるもでもないので信憑性にもかけます。