肩こりや腰痛、痛み等に効果があると言われる家庭用電気治療器とは?
電気治療器と低周波治療器、高周波治療器、電位治療器との違いは?
電気治療器に副作用やデメリットはないのでしょうか?
家庭用電気治療器について徹底的に調べてみました。
電気治療器とは?
不思議なことにWikipediaには、電気治療器及び電気治療の項目はありません。
電位治療器と電気療法という項目はありました。
※電位治療器については後述します。
電気療法とは?
電気療法(でんきりょうほう、electrotherapy)とは身体に理学療法の一環として、患部にそれぞれ適した電流を流すことである。
Wikipedia掲載の写真では、人体に針を刺し、電極端子を針に付けています。
鍼灸院での治療風景といった感じです。
電気治療とは?
物理療法の一。電流を直接人体に通じ生体反応を起こして治療効果をあげる療法の総称。電気療法。
引用:大辞林 第三版
どうやら、電気治療と電気療法は同義のようです。
電気治療器とは、電気治療を行う医療機器のことです。
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電気治療器の効果
電気治療器にはどのような効果があるのでしょうか?
生物の体内には微弱な電気が流れています。
「生体に電流を流すと痛みが治まる」、あるいは「筋収縮が起こる」ことは昔から知られており、この現象を治療機器に応用したものです。
電気治療器の効果は以下の2点になります。
①痛みの緩和
②コリ解消
痛みの緩和
体で感じる痛みは神経が集中する背骨を通って脳に通じ、そこで初めて痛みとして感知されます。
生体に電気を流すと、治療中患部からくる痛みの伝達を防ぐように働くと考えられています。
その結果、痛みの緩和が期待できます。
コリ解消
筋収縮が起こることによるマッサージ効果や、深部の血行促進によってコリ解消が期待できます。
電気治療器の種類
電気治療器は、治療に用いる周波数によって以下の3つの分類されます。
①低周波治療器:周波数1~999Hz
②中周波治療器:周波数1,000Hz~9,999Hz
③高周波治療器:周波数10,000Hz~
低周波治療器の効果とデメリット
低周波治療器は微弱な電流(低周波)を人体に通し、表面の筋肉を刺激・収縮することにより、筋肉を動かしコリをほぐします。
さらに低周波の中でも1~5Hzと50Hz以上の周波数とでは効果に違いがあります。
●1~5Hzの周波数
即効性はないが、少しずつ痛みが軽減され、通電を停止しても痛みはすぐに戻らない。
●50Hz以上の周波数
痛みに対する即効性はあるが、比較的短い時間で元に戻る。
高周波治療器の効果とデメリット
高周波は、低周波に比べ皮膚抵抗が小さいのでピリピリした刺激はない。
身体組織まで深く浸透し、コリの患部に到達して血管を拡張させ、血行を促進します。
高周波治療器が役に立つ症状には、腱鞘炎、腰痛、筋肉痛、関節痛、神経痛などがある。
低周波治療器と高周波治療器の違い
ざっくりまとめると、低周波治療器と高周波治療器の違いは以下になります。
低周波治療器
・ピリピリした刺激がある。
・筋肉を刺激することによるコリ解消
・装着時間は15分以内
・効果を実感するのが早い
高周波治療器
・刺激は殆どない
・血行促進によるコリ解消と痛みの緩和
・長時間装着可
・効果を実感するのが遅い
電気治療器と低周波治療器・高周波治療器の違い
低周波治療器及び高周波治療器は電気治療器の1種です。
また、低周波治療器及び高周波治療器を折衷したもの、あるいは温熱機能を加えたものが電気治療器です。
電気治療器と電位治療器の違い
電位治療器は家庭用電気治療器の一つです。
人体を交流又は直流電界に置くか、絶縁状態に置いて電位を与えて治療する家庭用の機器をいい、「頭痛」「肩こり」「不眠症」及び「慢性便秘」の緩解を目的とする、家庭用医療機器です。
元々、電位治療器の開発のきっかけは、ドイツの医学雑誌に掲載された「高圧送電線の下に長く住んでいる人には結核患者はいない。また、農作物の収穫量も多い。」という記事にあります。
電位治療器には、出力電位によって高圧電位と低圧電位のふたつのタイプがあり使用方法や使用時間が異なります。
電気治療器は局部的な部位に効果を発揮しますが、電位治療器は体全体に及びます。
また、電気治療器のように装着は出来ません。
家庭用電気治療器と業務用の違い
家庭用は非医療従事者が使うことから安全面などに配慮し、業務用と比べて体に流す電流量が少ないのが特長です。
これは家庭用脱毛器等も同じですね。
さらに、業務用は家庭用に比べ、稼働時間が長い為、耐久性に優れています。
その為、値段も高くなります。
電気治療器の副作用・デメリット
電気治療器にはどのような副作用とデメリットがあるのでしょうか?
低周波治療器の副作用・デメリット
低周波の効果は筋肉の表面部分に限定されます。
慢性的なコリには効かない可能性があります。
また、低周波は皮膚抵抗が大きいのでピリピリとした刺激があります。
治療効果を上げようとパワーを上げると苦痛です。
さらに、20分以上使用すると、筋肉がかえって凝り固まってしまう可能性があります。
低周波治療器は特に使い方に注意が必要です。
家庭用電位治療器の副作用
家庭用電位治療器は医薬品医療機器法で効能・効果が認められています。
しかしながら、心臓病と診断され、日常の過激な運動を制限されている人の使用はNGです。
また、ペースメーカ、植込み型除細動器などの電磁障害の影響を受けやすい体内植込み型の医療機器を使用している人、携帯式心電図記録器などの医療機器を装着している人も、これらの機器に影響を与える恐れがある為、使用はNGです。