米麹(米こうじ)で作る甘酒が人気です。
米麹を使うと自宅で甘酒・塩麹・味噌等を手作りすることが出来ます。
米麹には乾燥と生の2つのタイプがありますが、違いは何でしょうか?乾燥米麹の戻し方は?米麹の保存方法は?米麹の賞味期限は?
米麹に関する疑問についてスッキリ解説します。

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麹と糀の違い

米麹(糀)の乾燥と生の違いの説明の前に「こうじ」という漢字には「麹」と「糀」がありますので、こちらの解説から。

「麹」とは?

米麹

「こうじ」は、米、麦、大豆などの穀類で作りますが、それらの「こうじ」全般を表す漢字として、現在では主に「麹」という字が使われています。

中国から伝わった漢字です。
どおりで、字面が難しいわけですね。

「糀」とは?

一方の「糀」という表記は明治時代に日本で作られた国字、つまり和製漢字です。

「糀」は蒸し米に麹菌をまぜて発酵させて作った糀にのみ使われる表記です。

「米糀」は、蒸し米に麹菌をつけて発酵させたもので、「米糀をみると、ふわふわした白い菌糸が蒸し米の表面を花のように覆っているのがわかります。

この様子を表現した「糀」という象形文字というわけです。

麹と糀の違いをまとめると以下になります。

●麹・・・米、麦、大豆などの穀類で作った「こうじ」。中国から伝わった麹。
●糀・・・米で作った「こうじ」のみに使用。和製漢字。

結果、米麹=糀となります。
但し、米で作った「こうじ」を「米糀」と表記する場合もあります。

恐らく、これは「麹」という漢字を現代風に「糀」としたものと思われます。

いずれにしても、米で作った「こうじ」であることには変わりありません。

実際の商品名には「米麹」でも「糀」でもなく「米こうじ」と表記されることが多いです。

恐らくこれは、「麹」や「糀」では読み方が分からないという方を想定し、「米こうじ」と表記しているのだと思います。

米麹の乾燥と生の違い

米麹の乾燥と生の違いは字面通り、出来上がった米麹をそのままの生か乾燥させたかの違いですが、その違いが日持ち等に影響を与えます。

生米麹

生麹(なまこうじ)は麹菌の力が強いのですが日持ちしないので冷凍保存するなどの対応が必要です。

一般的に冷蔵庫保存で3週間程度、冷凍庫保存で3か月程度保存が可能。

乾燥米麹

「乾燥麹(こうじ)」は賞味期限が4か月程度(1年程持つものもある)と長くて使い勝手が良いです。

常温保存が可能ですが夏場は冷蔵保存がおすすめです。

また、乾燥米麹は生米麹と違い、水で戻す必要があります。

結局、生米麹と乾燥米麹のどちらがいいの?という話ですが、初めて米麹を使うなら、乾燥米麹がおすすめです。

生米麹より保存がきくので、長く使えます。
また、乾燥米麹は生米麹に比べ、抗菌の力が弱いですが、十分働いてくれますので、で甘酒や塩麹等を作るのに問題はありません。

乾燥米麹の戻し方

乾燥米麹はそのままでは使えないのでぬるま湯で戻して、生麹にしてから使います。

乾燥米麹の戻し方は簡単です。

材料

乾燥こうじ:500g
※グラム数は一例です。
大きめのボウル(またはトレイ)

戻し方

1. 乾燥こうじをボウルにいれる
※ボウルに入れる前に袋の上からよく揉みほぐしておく。

2.パラパラになるようにさらに手でほぐす。

3. 50~60℃のぬるま湯をくわえ、混ぜる。
※麹がふっくらと仕上がります。
※使用するぬるま湯の量は乾燥こうじ500gに対して約200cc
※全体の水分量が同じくらいになるよう、よく混ぜる。

3. ラップをし、1~2時間ほどおいておく。
※10~15分おきによくかき交ぜる。

4. 完成
※指で潰してみて、簡単に潰れるくらい。

注意点

乾燥麹を戻す時の注意点です。

熱湯は使わない。
※麹菌が死滅します。
生の状態に戻した麹はその日のうちに使う。
※雑菌が繁殖する可能性があります。
使用期限を過ぎた乾燥麹は使用しない
※菌が弱くなっています。
直射日光の当たらない冷暗所で保管。

米麹の保存方法と賞味期限

生の麹と乾燥麹とでは保存方法が異なります。

生の米麹

●保存方法:冷凍庫にて保存
●賞味期限:3ヶ月ほど保存可能

麹と塩を混ぜて保存すると、麹の品質を保持しつつ、常温で長期に渡って保存出来ます。
昔から伝わる発酵食品のコツで、『塩切り麹』とも言われます。

乾燥米麹

●保存方法:常温
●賞味期限:何ヶ月も保存

生の米麹と乾燥米麹の違い[メリット・デメリット]

生の米麹

●メリット
・麹の力価(りきか→デンプンを糖などに換える力)が強い
・水に戻すことなく、そのまま甘酒作りなどに使用できる

●デメリット
・生ものなので品質の劣化が著しい
・常温保存出来ず、10度以下の保存が必須

乾燥米麹

●メリット
・常温で何ヶ月も保存が可能
・通販で注文した場合、乾燥米麹は常温で配達できるので、クール代がかからない

●デメリット
・生麹に比べると麹の力価が下がる
・仕込みの際に水で戻す必要がある

初めて甘酒づくり等に挑戦する方には乾燥米麹がおすすめです。
※乾燥米麹のおすすめ人気ランキングは別記事参照