玄米には人間に必要な40種類以上の栄養素がほとんど含まれており、「完全食」と呼ばれることも。
玄米にはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
カロリーは?糖質は?
玄米の栄養成分・カロリー・糖質を白米と比較して一覧表にまとめてみました。

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玄米とは?

玄米茶椀玄米とは、精米していないお米のことです。
玄米は稲から籾殻(もみがら)を取り除き、胚芽や表皮が残っている状態の米です。

ご飯と言うと一般的に白米のことですが、白米は、玄米から表皮や糠層、芽が出る胚芽を取り去ったものです。

白米は精米度によって3分づき、5分づき、7分づき、また、胚芽部分を残した胚芽米があります。

玄米の栄養素

玄米には人間に必要な40種類以上の栄養素がほとんど含まれています。
三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質。
そして、摂った栄養素をしっかりと吸収・代謝する為に必要な副栄養素が含まれています。

玄米から削り取った皮や糠、胚芽にこそ、ビタミンやミネラル、食物繊維といった副栄養素が詰まっているのです。

玄米の構造

●籾殻
一番外側の殻。中意味を守る。

●胚芽
米の生命が宿っている最も大切な部分。
玄米に含まれる栄養素の多くが、この胚芽にある。

ビタミンB1、B2、B6、ビタミンE、カルシウム、パントテン酸、葉酸、酵素などを含む。

●糠層(果皮・種皮)
脂肪・タンパク質、セルロース(食物繊維)を含む。

セルロースは食べ物の消化吸収を助け、腸の働きを促進。
また、セルロースは腸内細菌の作用で、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12などに生合成される。

その他、排泄力が強いフィチン酸などを含む。

●胚乳・糊粉層
糊粉層の内側はデンプンの詰まった細胞の集まり。
これが白米となる。

炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、カリウム、マグネシウムなどを含む。

玄米の栄養成分と効果

玄米に含まれる栄養成分と効果です。

ビタミンB群

体調を整える効果があり、不足すると便秘や消化不良、肌荒れなどの症状が出やすくなる。

ミネラル

丈夫な歯や骨を作り、血液をきれいにする働きがある。
不足すると、骨粗しょう症や貧血、食欲不振などの症状を招く。

解毒作用が高い

白米の約5倍も含まれる食物繊維が、便秘を解消し、余分なものの排出をスムーズにする。

さらに、フィチン酸やGABA等、注目の健康成分も豊富に含んでいます。

GABA

「抑制性の神経伝達物質」として、ストレスの軽減やイライラの解消など、精神の不安定、不眠などを改善。

高血圧・肝臓の機能改善、腸内で悪玉菌を増加するのを抑制するこから整腸作用など、様々な効果が期待できる。

γ-オリザノール

胚芽や糠に含まれる成分。
ポリフェノールの一種で、血行を良くしてコレステロールを下げる、脳機能の劣化防止などの効果がある。

脳の視床下部に直接働きかけることで自律神経失調症の緩和、抗酸化作用やメラニン生成抑制など、ビタミンEにも似たアンチエイジング効果も期待できる。

フィチン酸

胚芽の部分に含まれる、強力な解毒作用がある物質。
鳥や虫などに食べられてもそのまま排出され、種の保存をするという自己防御の働きがある為、「必要以上にミネラルを体外に排出してしまうのでは?」という疑問もあるが、それはあくまでも「生」で食べ場合。
100℃以上で炊飯した玄米はその作用は弱まり、添加物などの化学物質を体外に排出する。

フェルラ酸

ポリフェノールの一種で、米糠に含まれるγ-オリザノールが体内でフェルラ酸に転換されて、高い抗酸化作用を発揮するとされている。

アルツハイマー型認知症の原因と言われている、脳の中で酸化ストレスを引き起こす物質、異常たんぱく質アミロイドβに対して保護する役割をする。
※参照:岡本羽加「毒だし酵素玄米ダイエット」

玄米のカロリー・糖質・栄養成分を白米と比較

玄米のカロリー・糖質・栄養成分を白米と比較した一覧表です。

カロリー・糖質・栄養成分の量は、生の米と炊いたご飯とでは、値が異なりますので注意が必要です。

エネルギー量が353 kcalとあるのは、生の玄米の場合です。
通常、玄米を生で食べることはないので、参考にならない数値です。

以下は、ご飯お茶碗一杯分(150g)に含まれる数量です。

白米玄米
カロリー252kcal248kcal
タンパク質3.75g4.2g
脂質0.5g1.5g
糖質57.2g52.7g
食物繊維0.5g2.1g
カリウム43.5mg142.5mg
マグネシウム10.5mg73.5mg
ビタミンB10.03mg0.24mg
ビタミンB20.02mg0.03mg
ビタミンB60.03mg0.32mg

※参照:日本食品標準成分表- 文部科学省