世界的な企業が座りすぎ対策に「立ち机」を導入し始めています。
立ち仕事、「立ち机」の効果とは?
誰でも出来る座りすぎの予防対策をご紹介します。

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座りすぎの弊害

座りすぎの弊害は世界的な問題になっており、様々な研究が報告されています。

座りすぎの弊害には以下のリスクが考えられています。

・寿命を縮める
・糖尿病のリスク
・心筋梗塞や狭心症、脳梗塞のリスク
・腰痛や首・肩のコリ
・認知機能の低下
・その他

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PC仕事座りっぱなしの弊害が世界的に取りざたされる中、職場環境改善にも意欲的で、立ち机(高さ調節ができるスタンディングデスクや立って作業するワークステーション)を導入する企業が急速に増えている。

グーグルもそうです。
そういった、一歩先を行く世界中の企業が次々と導入しているのが、立ち机(スタンディングデスク、ワークステーションなど高さ調節ができるタイプの机や作業台)。

では、立ち机にはどのような効果があるのでしょうか?
※座りっぱなしで仕事をするのではなく、30分(又は1時間)に1回は立って仕事をすることを繰り返します。

立ち机の効果

個人差はあるが、使い始めの事は多少違和感があったとしても、1ヶ月ほど使用していると次第に慣れ、多くの方が立ち仕事のメリットを体で覚え、段々立つ時間が増えていく。

健康面

血液検査の数値が改善される他、体感的に以下の報告が目立った。

疲れにくくなった
肩や首、腰、背中などの痛みやコリが軽減、解消した
頭や目の疲れが軽減された

健康面以外の効果

・能力や思考法、働き甲斐の変化
・行動パターンの変化
・職場のムードが良くなった。

立ち仕事を増やすと仕事のパフォーマンスが上がり、おまけに社内の空気も良くなるなど、いいことづくめ。

座りすぎの予防対策

座りすぎによる病=運動不足。
「座る→立つ→動く」と、姿勢を頻繁に変えながら、少しでも多く動く事、足を動かす事が予防の大原則。
その最初のステップが、「立ち上がる」こと。

立ち上がる

理想は30分に1回、最低でも1時間に1回のペースで立ち上がれば、座りすぎのリスクはかなり減らせる。

そして、立ち上がったついでに、少しでもいいから歩いたり動いたりすれば、座りすぎのリスクはもっと減らせる。

じっと座っている時は、足の筋肉はほぼ動かないが、立ち上がれば、姿勢を維持する為に、「ふくらはぎ」などの足の筋肉が動員され、筋の収縮が起こる。

どれだけ動けばいい?

30分に1回、最低でも1時間に1回のペースで立ち上がり、2~3分でもちょっと動く

具体的には「30分に1回なら3分、1時間に1回なら5分くらいは立ち上がって動く」が理想。

糖尿病や心臓病のリスクを下げるには、単に立ち上がるだけでは不十分で、何かしらプラスアルファの”動き”を加えるのがコツ。

「立つ→動く」を習慣化するには、始めのうちは、少し強引に「自分を立ち上がらせる」工夫が必要です。

30分に1回立つだけでダイエット効果

30分に1回ペースで1分立ったり歩いたりすれば1時間で3kcal、2分なら7.4kcal、5分なら16.5kcal消費する計算になる。

1日(8時間労働/30分に1回2分動く)だと7.4kcal×8=59.3kcal
年間では14,208kcalとなり、1年で何と2kg痩せる計算になります。
※1kg痩せる為に必要な消費エネルギー量を7,000kcalとして計算

座りすぎ予防の体操

立ち上がってちょっと動く時、低強度レベルの「足の筋トレ」を加えると、下半身の筋肉を刺激しながら運動効果を高めることができる。

動かすのは、足だけ。

座りすぎの問題は、足を動かさなことで筋肉が怠け、血流を悪化させることなので、「ふくらはぎ」と「太もも」の2つの要所を良く動かすこと、しかもピンポイントで刺激することが大切。

「ふくらはぎ」を刺激する体操:かかと上げ運動

「かかと」を上げ下げするだけだが、「ふくらはぎ」の筋肉のポンプが働いて足の血流がみるみる良くなる。

コツは、あわてず“ゆっくり”動かす事。
スローに動かすと、筋肉を効果的に刺激できる。

2秒で上げて2秒で下げるくらいが丁度いい。
足のむくみ対策としてもおすすめ。

≪やり方≫
①まっすぐ立って、背伸びをするように(1秒間隔で1、2と数えながら)左右のかかとをゆっくり上げる。

②1秒間隔で1、2と数えながら「かかと」をゆっくり床に下す。
※普段あまり運動しない方や高齢者は、転倒に注意。
心配なら椅子やテーブルなどにつかまって行う。

「太もも」を刺激する体操:スロー・スクワット

立つ時、座る時、階段の昇り降りなど、膝を伸ばす時に働くのが、太腿全部にある大きな筋肉「大腿四頭筋」。

ここを鍛えるスクワットは、座りすぎ予防におすすめ。

広範囲の筋肉を動かす事で、体中に刺激が伝わり、血流も代謝もアップ。
太ももの筋肉が逞しくなると、ひざ痛もカバーできる。

≪やり方≫
①まっすぐ立った姿勢から、ゆっくり(1秒間隔で1、2と数えながら)「ひざ」を曲げ、軽くしゃがんだ格好に。
※4分の1スクワット程度で十分だが、「ひざ」を曲げた時、「ひざ」がつま先より前に出ないように。

②1秒間隔で1、2と数えながら、ゆっくり「ひざ」を伸ばしながら、元の姿勢に。

以上、どちらの体操も5回以上繰り返すと効果が表れやすくなる。
ただ、回数にはこだわらなくて良い。

慣れてきたら段々回数を増やしていく。
目安は10回1セット。

立ち仕事時の注意ポイント

元々、立ち仕事の方や、既にスタンディングデスク机を利用している方にも、上記の足の体操はおすすめ。

座りすぎと同様、立って作業をする時も、同じ姿勢を長く続けるのはNG。

姿勢を頻繁に変えると、筋肉や骨格も調整される為、ずっと悩まされていた体の痛みも手放せるなど、いいことづくめ。

立ちあがり+運動の効果

立ちあがり+運動には以下の効果があります。

血糖値が低下

座位を中断して「立つ+ちょっと動く」ことで血液の状態が変わり、血糖値が改善されることは、様々な研究データから証明されています。

肥満傾向になる23名の事務職を対象とした別の実験では、8時間座り続けて通常業務をするグループと、30分ごとに立ってパソコン作業をするグループの2つに分けて血液の変化を調べた。

その結果、立ち上がったグループは、食後の血糖値の上昇が11%抑えられた。

中性脂肪濃度が低下

健康な男性15名を対象に、中性脂肪に与える影響を調べた実験では、30分ごとに立って歩行(中程度の運動)したグループは、座りっぱなし(7.5時間)のグループと比べて食後の中性脂肪濃度が18%低下した。

結腸癌のリスクが低い

運動不足や肥満とガンは密接な関係があるので、動いて代謝のいい体をつくることは予防の基本。

オランダで行われた大規模な疫学研究では、仕事中の座位時間が1日2時間未満の男性は、6~8時間の男性に比べて結腸ガンのリスクが37%低いという報告も。

立てない環境で出来る事

「職場の事情でどうしても立ち上がって動くのが難しい」という方もいることでしょう。

その場合は、座ったまま足を動かし、姿勢を変える工夫をすれば大丈夫。

かかと上げ運動

前述した「かかと上げ運動」を座ったまま行う。

テレビ番組内の実験では、この足の体操で血流の速度が安静時の4倍にも改善されると言う結果が出ている。
車イスの方の体調管理にもおすすめ。

≪やり方≫
①座ったままで足を揃え、手は太ももも上に。
そのまま、つま先に体重をかけながら、(1秒間隔で1、2と数えながら「かかと」をゆっくり上げていく。

②今度は(1秒間隔で1、2と数えながら)「かかと」をゆっくり床に下す。

5回以上繰り返すと効果があらわれやすくなる。

「ふくらはぎ」を意識して、つま先に体重をかけながら垂直に立て、「太もも」の方まで使って上げ下げすると、「ふくらはぎ」、「太もも」が同時に鍛えられる。

パスや飛行機、映画館や劇場などの狭い座席に座った時にもおすすめ。

片足上げ運動

「太もも」の前側(大腿四頭筋)を鍛える体操。

専門的には「レッグエクステンション」と呼ばれる運動で、座ったままできる運動なので負担も少なく、しかも机やテーブルの上でも無理なく行える。

≪やり方≫
①片方の足を膝を伸ばした状態で(1秒間隔で1、2と数えながら)ゆっくり持ち上げる。
※つま先は天に向けてピンと伸ばすと「太もも」が鍛えられる。

②今度は(1秒間隔で1、2と数えながら)ゆっくりと下す。

左右交互に5回以上繰り返す。

動作はゆっくり、「太もも」の動きを意識して。

膝が痛い人は軽く曲げて行ってOK。
決して無理しない事。

以上の2つの体操の動きは、エコノミークラス症候群の予防体操として奨励されている。

回数は出来る範囲で構わないが、1セット10回を目標に行なうと効果が表れやすくなる。

他に以下の動きも座ったままできる予防策としておすすめ。
・足の指で「ぐーぱー」をする。
・「ふくらはぎ」を軽くもんで血流を良くする。

座りすぎ対策のまとめ

座りすぎには健康面に悪影響を及ぼし、寿命が縮むリスクも。

座りすぎのリスクを減らす対策には以下のものがあります。

①長時間座る時は…30分に1回、それが無理なら1時間に1回は「立ち上がって、3分でもいいからちょっと動く。

どうしても立ち上がれな時は、デスク下で「かかと」の上げ下げなど「足を出来るだけ動かす」。

座りすぎは体を害するだけです。
出来る事から始めてみませんか?
※本記事は主に本「長生きしたければ座りすぎをやめなさい」(著者:岡浩一郎)を参照しました