「アンチエイジング効果がある」「健康寿命を延長する」と言われるレスベラトロールですが、そもそもレスベラトロールとは?
レスベラトロールの効果[乳がん]は?効果なし?
副作用の危険性は?
レスベラトロールを多く含む食品は?
レスベラトロールの1日推奨摂取量は?
レスベラトロールの効果的な摂り方は?
レスベラトロールに関する疑問をスッキリ解説します。
レスベラトロールとは何か?
レスベラトロールはポリフェノールという植物成分の一種。
赤ワインなどに含まれます。
「アンチエイジング(抗加齢)効果がある」「健康寿命を延長する」と言われるレスベラトロールですが、その秘密はレスベラトロールが細胞の長寿を促す長寿遺伝子の働きに関わる成分にあります。
ポリフェノールとは?
ポリフェノールは、植物が紫外線などのストレスや病原菌から自分の体を守るためにつくる防御成分のひとつで、その効果は多く知られています。
※レスベラトロールの効果効能は後述
長寿遺伝子とは?
長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)の作り出す酵素が、老化の原因となる活性酸素を消す物質を出し、さらに免疫細胞を正常化。
活性酸素による体の酸化を防ぎ、免疫力・抗酸化力も上がり、細胞の長寿につながると言われています。
レスベラトロールの効果効能
レスベラトロールを摂取することで、細胞の酸化を防ぎ、肌の弾力を改善するなどの効果が期待されています。
その他にも、血流の改善や血糖のコントロールなどに働くことが知られており、生活習慣病の予防にも効果的だといわれています。
●長寿遺伝子
●抗炎症作用・抗動脈硬化作用
●動脈硬化防止効果
●認知症予防効果
●乳がん・肺がん抑制効果
●脳機能の改善効果
長寿遺伝子
高脂肪食により短命となる条件下で実験動物(マウス)にレスベラトロールを与えた実験で、寿命延長効果がもたらされた可能性があると報告されことから、レスベラトロールは長寿物質として話題になりました。
抗炎症作用・抗動脈硬化作用
レスベラトロールは抗炎症作用や抗動脈硬化作用などが期待されています。
試験管内やモデル動物を用いた研究では、レスベラトロールがこれらの作用をもつ可能性が報告されています。
※モデル動物とは人間の病気と同じような症状が起こるよう作り出された実験動物のこと
動脈硬化防止効果
ヒトにおける試験では、血圧が高めの被験者において、血管拡張反応を改善し、動脈硬化を防ぐことが報告されています。
レスベラトロールは動脈硬化を防止する効果が期待できます。
認知症予防効果
ヒトにおける試験結果では、脳の血流量を増加させることで認知症を予防する可能性が報告されています。
レスベラトロールは認知症を防止する効果が期待できます。
乳がん・肺がん抑制効果
ヒトにおける試験では、健常者に対しても、レスベラトロール2.5gを28日摂取した結果、有意に血中の増殖因子IGF-1やその結合タンパク質IGFBP-3の減少が認められ、乳がんや肺がんのリスクを低減する可能性が報告されています。
レスベラトロールは乳がん・肺がんを抑制する効果が期待できます。
脳機能の改善効果
ヒトにおける試験では、健常者にレスベラトロールを250mg又は500mg摂取後、45分以降で濃度依存的に前頭葉の血流の亢進が認められ、脳機能の改善に役立つと報告されています。
レスベラトロールは脳機能を改善する効果が期待できます。
レスベラトロールは効果なし?
以上の様にレスベラトロールの効果効能が注目されていますが、効果の種類によっては、「効果が認められない」ものもあります。
●レスベラトロールは寿命に効果なし?
●レスベラトロールは血圧・血中脂質炎症マーカーに効果なし
レスベラトロールは寿命に効果なし?
前述のレスベラトロールが寿命延長効果をもたらしたとされる報告は、カロリーの60%が脂肪由来の食事を与えた結果です。
普通食を食べた実験動物(マウス)では、レスベラトロール摂取は寿命に影響がなかったとの報告もあり、それ以外の報告においても、レスベラトロールの実験動物の寿命への効果は一致していません。
レスベラトロールの摂取が人の寿命を延長するという臨床試験結果はなく、従って、レスベラトロールが長寿に効果があるとは必ずしも言い切れないのが現状です。
レスベラトロールは血圧・血中脂質炎症マーカーに効果なし
メタ分析の結果では、レスベラトロールの摂取は、血圧、血中脂質(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、および中性脂肪濃度)、および炎症マーカーに影響を与えなかったことが報告されています。
※メタ分析とは、過去におこなわれた複数の臨床研究のデータを集めた、より信頼度の高い研究手法のこと
※炎症マーカーとは、生体内で起こっている炎症の有無や程度を反映する指標のこと
レスベラトロールの副作用の危険性
これまでレスベラトロールが含まれる食品やサプリメントでの副作用の報告はなく、安全であるといえます。
ただ胃に負担がかかることもありますので、どんなサプリメントでも食品と一緒に摂取することをお勧めします。
また薬を処方されている方は、必ず医師にご相談下さい。
レスベラトロールを多く含む食品
レスベラトロールは、以下も食品に多く含まれます。
・赤ワイン
・ブドウの果皮
・サンタベリー
・ピーナツの皮
・イタドリ根茎
・グネモン
・アーモンドの薄皮
・リンゴベリー(コケモモ)
・メリンジョ種子
サンタベリーとは?
サンタベリーはその真っ赤な果実には、体内で有効に働くトランス型のレスベラトロールを豊富に含んでいます。
北欧の過酷な環境で育つサンタベリーは、ブドウなどと比較してもより多くのレスベラトロールを含むことがわかっています。
※サンタベリーは株式会社わかさ生活の登録商標です。英語名はリンゴンベリー、日本名はコケモモです。
メリンジョとは?
メリンジョは、インドネシアで「生命の樹」と呼ばれている木の実です。
メリンジョをよく食べる地域は、平均寿命が長いという話があります。
調べてみたところ、種子の重さのうち1割近くがレスベラトロール類で、しかも、ブドウには含まれていない特有のレスベラトロール類が豊富に含まれていることが分かりました。
イタドリ根茎
イタドリ根茎は虎杖根こじょうこんと呼ばれる生薬であり、薬事法(現・医薬品医療機器法)では薬に分類されていることから、食品に用いることができません。
レスベラトロールの摂取量
レスベラトロールの研究が発展途上ということもあり、明確な推奨摂取量はまだ定められていません。
一方で疫学的なデータでは、1日にグラス2杯程度(250~500ml)のワインを飲む人は、飲まない人に比べて心疾患にかかる確率が下がったり、脳機能が低下するリスクを防ぐと言われております。
一般的にワインボトル1本分(750mg)には2~3ppmのレスベラトロールが含まれておりますので、サプリメントで摂取する場合はこの量を1つの指標として良いと思われます。
レスベラトロールの効果的な摂り方
レスベラトロールは基本的には食品成分ですので、いつ摂取しても構いません。
しかしサプリメントとしての効果を期待する場合、毎日忘れずに飲み続けること、体内に吸収されやすいことが大切なので、食後の摂取をお勧めします。