スポーツドリンク(飲料)は熱中症対策にうってつけだが、市販のスポーツドリンクは、糖分や塩分が多い。
又、コストもそれなりにかかる。
そこでお勧めなのが、手作りのスポーツドリンク。
簡単にできる糖分控えめの熱中症対策用スポーツドリンクの作り方を披露します。

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自家製スポーツドリンクを作る理由

日差し

スポーツドリンクは熱中症対策に手軽に利用できる飲料ですが、以下のデメリットがあります。

  • 市販のスポーツドリンクは糖分(砂糖)が多い
  • 塩分が食塩でナトリウムが多い
  • それなりのコストが掛かる

一方、スポーツドリンクを自分で作るメリットは以下です。

  • 糖分をコントロールできる。
    ※砂糖の量を減らしたり、砂糖の代りにブドウ糖や蜂蜜を使うことが出来る。
  • 岩塩を使うと、ナトリウム量を減らせる。
  • 市販のスポーツドリンクを購入するより断然安い。
  • 自分好みの味に調整できる。

自家製スポーツドリンクのデメリットは作る手間がかかるということでしょうか?

最も、作り方は簡単です。
市販の粉末タイプのスポーツドリンクを利用するのと比べると、材料(2~3種類)を用意する手間がかかるだけです。

熱中症対策スポーツドリンクには何をどういう割合で入れる?

[st-kaiwa1]そもそも、熱中症対策スポーツドリンクって何なの?[/st-kaiwa1]

体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、吸収が良いスポーツドリンクを特に”アイソトニック飲料”と言う。
アクエリアス、ポカリスエットが代表的。

“体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、吸収が良い”=”熱中症対策”となる。

日本体育協会は運動中の飲料として次の内容のものを推奨している。
・塩分:0.1~0.2%/ナトリウム換算では100mlあたり40~80mg)
・糖質:2.5~8%(長時間の運動では4~8%)/2.5(4)~8g
※詳しくは⇒スポーツドリンクは薄める?薄めない?その理由と効果は?

自家製のスポーツドリンクもこの割合で作ると良いわけである。

[500mlの場合]
・水:500ml
・食塩:0.5~1g
・砂糖:12.5(20)~40g

ここで、ネットで公開されている熱中症対策用手づくりスポーツドリンクのレシピをチェックすることにする。

一般的なスポーツドリンク[熱中対策用]の作り方

ネットで公開されている500mLの手づくりスポーツドリンク[熱中対策用]のレシピです。
※水500mL用でない材料の分量も、500mLに換算しています。
※水1L用を作る場合は、材料は倍になります。

調べたレシピの中には熱中対策用スポーツドリンク言いつつ、適当な内容のものもありました。
厳密に熱中対策用のスポーツドリンクかどうかについては、次の項目でチェックします。

[st-kaiwa2]【A】
・砂糖:大さじ3(27g)
・塩:少々
・レモン果汁:25mL
※砂糖の代りに蜂蜜を大さじ1.5~2ほど入れても美味しく作れる。(赤ちゃんには蜂蜜は不可)
※レモン果汁はお好みで。[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa6]【B】
・砂糖:12.5g
・塩:1g
・レモン果汁:1/3~1/4個[/st-kaiwa6]

[st-kaiwa3]【C】
・砂糖:大さじ2(18g)
・塩:小さじ1/2(1.5g)
・レモン果汁:大さじ1[/st-kaiwa3]

[st-kaiwa7]【D】
・砂糖:大さじ1/2(4.5g)
・塩:小さじ1/4(1.5g)
・レモンの絞り汁(市販の100%果汁で可):大さじ1[/st-kaiwa7]

[補足説明]
大さじ(水)1:15mL/15㏄
小さじ(水)1:5mL・5㏄
大さじ1=小さじ3
大さじ(上白糖)1:9g
大さじ(はちみつ)1:21g
小さじ(食塩)1:6g
塩少々:親指と人差し指の指2本でつまんだ量(約0.3g~0.6g)

一般的なスポーツドリンクは熱中症対策になるのか?

ネットで公開されている手づくりの熱中症対策スポーツドリンクは、実際に熱中症対策になりうるのか?

前述の熱中症対策用として推奨される原料と濃度なのかをチェックすることにする。

砂糖食塩
推奨値12.5(20)~40g0.5~1g
A27g約0.3g~0.6g
B12.5g1g
C18g1.5g×
D4.5g×1.5g×

※(20)は長時間の運動時

この中では、AとBがオススメのレシピとなる。

糖分控えめのスポーツドリンク[熱中対策用]の作り方

自分で熱中対策用スポーツドリンクを作るメリットは複数あるが、その1つは配合する糖分・塩分を減らすことが出来ること。

特に糖尿病や高血圧の方は、市販のスポーツドリンクでは糖分・塩分が多すぎる。
かと言って、薄めると水分の吸収率が落ちる可能性がある。
※スポーツドリンクは薄める理由と効果については⇒スポーツドリンクは薄める?薄めない?その理由と効果は?

糖分を減らす方法[1]~砂糖の量を減らす

甘さを抑える、あるいは糖分の摂り過ぎで“太る”、”糖尿病が心配”と言った方は、「砂糖を減らす」という選択があるが、安易に砂糖を減らすと水分の吸収率が落ちてしまう。

では、砂糖を減らすことは出来ないのか?
そんなことはない。

熱中症対策用スポーツドリンクとして、ネットで良く見る砂糖の割合は20~40g(500mLあたり)

ところが、この下限の「20g」は”長時間の運動”の場合、推奨される数値だ。
通常の濃度は2.5~8%、500mLあたりだと「12.5mL」が下限になる。

前述の①の場合、砂糖:大さじ3(27g)を大さじ1.5(13.5g)に減らせる。

糖分を減らす方法[2]~砂糖の代わりにブドウ糖を使う

次に砂糖を使わないで糖分控えめのスポーツドリンクを作る方法を紹介する。

それは砂糖の代わりにブドウ糖を使う方法。

ネットでは砂糖が水分の吸収を促進するという記事が多いが、実際は、砂糖に含まれるブドウ糖によるもの。

ブドウ糖を使うことで、糖分を減らすとともに吸収率を上げるという一石二鳥が実現する。

砂糖の主成分はショ糖。
ショ糖は加水分解するとブドウ糖と果糖に分かれる。

では、砂糖に含まれるブドウ糖の割合はどれくらいなのだろうか?
一言に砂糖と言っても、砂糖には上白糖、グラニュー糖、黒砂糖等の種類があり、含まれるショ糖の割合も異なる。

一般的にイメージされる砂糖は上白糖だ。
上白糖に含まれるショ糖の割は97.8%。
ショ糖が分解されると1:1の割合でブドウ糖と果糖ができる。

[20gの上白糖に含まれるブドウ糖の量]
20g×97.8%÷2=9.78gとなり、約大さじ約1杯。
[13.5gの上白糖に含まれるブドウ糖の量]
13.5g×97.8%÷2=6.6gとなり、約小さじ2杯。

結果、ブドウ糖を使ったスポーツドリンク[熱中対策用]のレシピは以下になる。

・ブドウ糖:大さじ1(9g)又は小さじ約2杯(6g)
・塩:少々

蜂蜜入りスポーツドリンクは熱中症対策にどうなの?

はちみつ

手づくりスポーツドリンクのレシピを調べると、砂糖の代わりに蜂蜜を使ったものも散見した。

蜂蜜は砂糖に比べるとヘルシーという印象が強い。

しかし、砂糖は水分の吸収を促進する為に使われている。
蜂蜜は砂糖の代わりになるのだろうか?

はちみつ小さじ1杯強と、お砂糖大さじ1杯が、ほぼ同じ甘さになる。

さらに、はちみつの主成分は果糖とブドウ糖。
水分の吸収に関わるブドウ糖ははちみつの1/2と考えらえる。
※砂糖は上白糖と想定。

結果、はちみつは砂糖の代用になる。

さらに、はちみつは効率よくエネルギーになるので、いいことづくめだ。
以下は、ネットで見つけたはちみつを使ったレシピ。
※はちみつ大さじ1は21g

[st-kaiwa4]【E 】
・はちみつ:大さじ2(42g)
・塩:小さじ1/2(1.5g)
・レモン汁:大さじ1
・ミント:適量
・レモンの輪切り:1/2個分[/st-kaiwa4]

[st-kaiwa7]【F 】
・はちみつ:小さじ3=大さじ1(21g)
・塩:小さじ1/4(0.75g)
・ポッカレモン100:小さじ2[/st-kaiwa7]

[st-kaiwa8]【G 】
・はちみつ:大さじ1(21g)
・塩:小さじ1/4(0.75g)
・レモン汁:小さじ2[/st-kaiwa8]

問題は、はちみつの量だ。
以下は、ブドウ糖は上白糖の1/3、はちみつの1/2として計算した。
※ブドウ糖は粉末、はちみつは液体なので概算である。

[砂糖27gのケース]
上白糖:大さじ3杯(27g)
ブドウ糖:大さじ1杯(9g)
はちみつ:大さじ1杯(21g)
[砂糖13.5gのケース]
上白糖:大さじ1.5杯(13.5g)
ブドウ糖:大さじ0.5杯(4.5g)
はちみつ:大さじ0.5杯(10.5g)

スポーツドリンクにクエン酸は入れる理由は?

レモン

手づくりスポーツドリンクのレシピを調べると、レモン果汁を配合したものが多かった。
これはクエン酸ということだろう。
クエン酸を入れる理由と効果は?

[st-kaiwa1]レモンや梅干しは想像しただけで唾がでるね。[/st-kaiwa1]

クエン酸とは柑橘類・酢・梅干し等に含まれるに含まれる、あの酸っぱい成分。

疲労回復(軽減)効果があると言われているが、それだけでなく、身体に吸収されにくいとされるカルシウム等のミネラルを体内に吸収しやすくする働きもある。

酸味があると口当たりもさっぱりするし、スポーツドリンクに入れたい成分だ。

どれくらい入れるかは好みの問題があるので、とりあえず作ってみて味見して調整すると良いだろう。

簡単!糖分控えめ熱中症対策用スポーツドリンクの作り方~まとめ

砂糖を使ったスポーツドリンクの作り方[基本]

熱中症対策を目的としたスポーツドリンクの作り方は簡単。
以下の材料を以下の量で混ぜ合わせるだけ。

[500mlの場合]
・水:500mL
・食塩:塩少々
・砂糖:大さじ1.5杯(13.5g)~3杯(27g)
※親指と人差し指の指2本でつまんだ量

砂糖を使わないスポーツドリンクの作り方

砂糖を入れるのは水分の吸収を高める為だが、その役割を果たしているのはブドウ糖。
砂糖(上白糖)の大半はショ糖だが、ショ糖はブドウ糖と果糖に分解される。

砂糖の代わりにブドウ糖を使うと糖質を抑えられ、吸収も良く効率が良い。
レシピは以下になる。

・水:500mL
・食塩:塩少々
・ブドウ糖:大さじ0.5杯(4.5g)~1杯(9g)

はちみつ入りスポーツドリンクの作り方

砂糖の代わりに蜂蜜を使う方法もある。
蜂蜜の大半はブドウ糖と果糖。
はちみつは栄養価が高く、効率よくエネルギーになるのでお勧めだ。
※はちみつには雑菌が含まれるのは赤ちゃんには不可。

はちみつ入りスポーツドリンクのレシピは以下の通り。

・水:500mL
・食塩:塩少々
・はちみつ:大さじ0.5杯(10.5g)~1杯(21g)

クエン酸入りスポーツドリンクの作り方

レモン果汁等に含まれるクエン酸には疲労回復(軽減)効果があるとともにミネラルの吸収も高める。

上記のレシピにレモン果汁や粉末のクエン酸と加えるとクエン酸入りスポーツドリンクが出来上がる。

簡単なのはポッカレモンを入れる事。
入れる量は、好みに合わせて加減すると良い。

尚、手づくりのスポーツドリンクを水筒に入れる時は、注意が必要だ。
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