「スポーツドリンク(飲料)を金属製の水筒に入れるのは危険」という情報が拡散した(2018年夏)。
調べてみると、スポーツドリンク対応の水筒があった。
スポーツドリンク対応の水筒は各メーカーが販売している。
通常のステンレスの水筒と何が異なるのか?
象印、サーモス、タイガーのスポーツドリンク対応水筒を取り上げます。
スポーツドリンク対応の水筒のおすすめ3選は?

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スポーツドリンクを水筒に入れるのは危険なのか?

危険

「スポーツドリンクを水筒に入れるのは危険なのか?」の真偽については前回、記事で取り上げた。

結論的には条件が整えば危険の(=中毒を起こす)可能性がある。
しかし、現状、可能性は低いと言える。
実際、2008年を最後に銅による中毒は起きていないそうだ。
健康安全研究センターの注意喚起が功を奏したのか?
【関連記事】「スポーツドリンクを水筒に入れるのは危険」を鵜呑みにするのは危険!

では、100%安全かというとそうとも言いきれない。

酸性のスポーツドリンクが金属を溶かし、それが人体に何らかの悪影響を及ぼす可能性は残っている。

安全策は以下の2つ。
●金属製でない水筒(プラスチック製)を使う。
※但し、保冷は効かない。

●スポーツドリンク対応の水筒を使う。
※本記事のテーマである。

スポーツドリンク対応とは?通常の水筒との違いは?

[st-kaiwa1]そもそも、スポーツドリンク対応の水筒って何なの?
普通の水筒と何が違うの?[/st-kaiwa1]

これに関しては、象印マホービンの主張が明確だ。

近発売した弊社のステンレスマグは、すべて内部にフッ素加工を施しています。

なかでも、フッ素加工を2倍にしたものを『スポーツドリンク対応』というカテゴリで販売しています。基本的には、使用後にすぐに洗って頂ければ、通常のフッ素加工製品にスポーツドリンクを入れることは問題ないと認識しています。

フッ素加工って何なの?

フッ素加工とはフッ素樹脂加工のことで、フライパン等のコーティングする加工のこと。

フッ素樹脂は耐熱性・耐薬品性・難燃性・非粘着性にすぐれ、食材が焦げついたり、汚れがこびりついたりしにくいことから、調理器具のコーティングに多用される。
(引用:フッ素加工

スポーツドリンクと水筒に関して言えば、フッ素加工することで、酸性のスポーツドリンクが金属を溶かすのを抑えるということになろうか?

健康安全研究センターも以下のように言っている。

基本的には、金属製の水筒であっても内部にコーティングが施されている製品がほとんどですので、スポーツドリンクを入れたからといって、金属が溶け出すことはほぼないと考えています。

水筒の素材がアルミや鉄であれば、少量の金属が溶け出したとしても中毒を起こすことは考え辛いです。よっぽど大きな傷が内部についているのであれば、話は別ですが。
(引用:「金属製の水筒にスポドリ、絶対NG」って本当? 研究機関、メーカーに聞くと…

しかし、ここで新たな疑問が…。

ステンレス製の水筒にスポーツドリンクは危険?

ステンレス製の水筒について言及されていないが、ステンレスは酸に強いの?弱いの?

ステンレスは、銅やアルミに比べ酸に対する腐食抵抗力が高く、また、ステンレスの中でも、鋼種によって酸に対する強さに相違があります。
(引用:酸への強さ

上記のページには「代表的ステンレスと他の素材の脱不動態化pH」が図で示されている。

それによると、銅はpH6.5、アルミはpH4.5、ステンレスはpH4.5~0となっており、pH数値が小さいほど酸に強い。
※pH7が中性、pH0が酸性。

そもそも、金属製の水筒にスポーツドリンクを入れると危険(中毒リスク)というのは、その金属が銅の場合であり、それ以外にも条件があった。

ステンレス+フッ素加工(二重加工は特に)は銅や他の金属に比べて酸(スポーツドリンク)に強いと言える。

ところが、ネットでは「ステンレス製の水筒にスポーツドリンクは要注意!」と言った記事があふれている。

金属製の水筒が全てNGという認識のようだが、よく調べてから物を言ってもらいたいものだ。

象印のスポーツドリンク対応水筒のおすすめ

象印のHPに以下のQ&Aがあった。

Q.スポーツドリンクを入れてもいいですか?
A.スポーツドリンクに対応している製品がありますので、該当する製品をご確認ください。
ステンレスボトルにスポーツドリンクを入れて使用する場合は、外出時など十分にお手入れができないときでも、使用したあとはすぐに、本体内側・本体外側(肩部)・中せんなどを、よく水洗いしてください。使用後、放置しておくと、さびや穴あきの原因になります。
(スポーツドリンク対応製品の一部には、ジャグも含まれています。)

以下のスポーツドリンク対応水筒はAmazonカスタマーレビューで5つ星のうち4.7と高評価です。

サビに強く、スポーツドリンクにも対応~2倍フッ素コートでステンレスを守るのでサビに強い。塩分が含まれるスポーツドリンクにも対応し、スポーツシーンにもおすすめ。
※引用:Amazon商品説明

 

タイガー魔法瓶のスポーツドリンク対応水筒のおすすめ

タイガー魔法瓶のHPに以下のQ&Aがあった。

Q.スポーツ飲料を入れてもいいのですか。
A.ご使用いただけます。 しかしながら、スポーツ飲料の成分には塩分が含まれており、 ステンレスが腐食する可能性がありますので、使用後はすぐに お手入れをしてください。 外出先など充分なお手入れができないときでも、すぐに 本体内側をよく水ですすいでください。

以下のスポーツドリンク対応水筒はAmazonカスタマーレビューで5つ星のうち4.6と高評価です。

汚れやニオイがつきにくい「スーパークリーン加工」~ボトルの内面には、なめらかで光沢のあるスーパークリーン加工を施しました。スポーツドリンクの使用もOK。(使用後はすぐにお手入れしてください。)
※引用:Amazon商品説明

こちらの製品は「フッ素加工」ではなく「スーパークリーン加工」であるが、「スポーツドリンクの使用もOK。」とある。

 

サーモスのスポーツドリンク対応水筒のおすすめ

サーモスのHPに以下のQ&Aがあった。

Q.スポーツドリンクを入れてもいいですか?(本体が真空断熱構造の場合)
A.スポーツドリンクに含まれる塩分は微量のため、本体に入れてお使いいただいても構いませんが、ご使用後は十分にお手入れをお願いします。
スポーツドリンクに限らず、飲みものの成分が残ったままですと、ステンレス鋼が腐食(さび発生)し、保冷性能不良の原因となることがあります。ご使用後は、飲みものの成分が残らないよう、食器用中性洗剤を含ませたスポンジやボトルブラシできれいに洗い、流水でよくすすぎ、十分に乾燥させてください。

以下のスポーツドリンク対応水筒はAmazonカスタマーレビューで5つ星のうち4.7と高評価です。

スポーツ飲料OK
※引用:Amazon商品説明

「スポーツ飲料OK」とあるのみ。スポーツ飲料に関する記述がこれだけとはそっけない。

サーモスのスポーツドリンク対応水筒は他社メーカーと同じく、本体はステンレス鋼だが、コーティングはアクリル樹脂塗装だ。
それと「真空断熱」構造なのが特徴。
保冷が長持ちする。

 

まとめ

スポーツドリンク対応水筒は各メーカーで工夫を凝らしている。
コーティングの方法だけでなく、サイズ、色、デザイン等に違いがある。

いずれにしても、使用後は直ちに洗う事が肝心だ。
それと、洗う時は漂白剤等の酸性洗剤ではなく、中性洗剤を使う事を忘れてはならない。